Scribble at 2023-05-19 10:28:53 Last modified: 2023-05-19 17:31:17

出社日である。途中で Osaka Metro にて、PiTaPa カードを初めて使ってみた。当たり前のことだとは思うが、誤認識はせずに乗車時も降車時も改札を通過できたので、ひとまず使えるのは分かった。ICOCA カードを使っていて酷い誤認識の頻度に呆れて、交通カードを使うのを止めたのが10年くらい前だったから、もちろん民生品とは言え改札機もカードも品質は向上しているのだろう。利用者としては、或る程度は信頼して使う他にない。ただ、技術者の端くれとしてだけでなく利用者としても一定の受忍限度というものはあるわけで、だいたい1ヵ月に1回以上の頻度で誤認識が起きたら、やはり使い物にならないと判断せざるをえない。これでも、受忍限度としては非常に緩い基準だと思う。

そもそも僕は週に1回しか出社しないから、1回の出社で改札を4回通るので1ヵ月だと合計で16回、他に隔週で実家へ行った帰りにも使うと思うが、それでも数回だから、せいぜい1ヵ月に20回ていどしか PiTaPa カードを使わない。この頻度で1回のエラーが起きるなら、誤認識率は 5% である。この手の統計はメーカーも鉄道会社も発表するわけがないので、理論値や試験的な統計の値は分からない。だが、5% というのは、いくら民生品とは言っても昨今の工業製品としてはありえない低品質だ。「シックス・シグマ」(100万回に数回の不良品が出るていどの製造プロセス)とまでは言わない。なぜなら、これまでと同様に平日は出社するサラリーマンを考えると、1ヵ月で20日の出勤として1年で240日、1日にカードを使う回数は4回だから、1年で合計して960回、彼が23歳から65歳の定年まで同じ環境で働いたとして、その会社への通勤に交通系カードを改札に使う回数は合計で40,320回だ。そのあいだ、10回くらいは誤認識があっても受忍限度の範囲だろう。それでも、頻度としては0.025%である。5%ということは、この200倍も誤認識が起きやすいということである。それでは安心して使ってはいられまい。

ただ、僕の使い方による誤認識が起きる可能性もあるわけで、そこは利用者としての責任があろう。たとえば、PiTaPa カードを使うときは問題なかったが、このカードをテナント・ビルの入館カードに使っているストラップ型のホルダーへ入館カードと一緒に入れていると、これを会社では Akerun という入退室管理システムでもドアの開閉にビルの入館カードを使っていて(カードの規格が同じなので流用できる)、そこでは入館カードが Akerun のセンサーに誤認識されてドアを開けられなかった。すると、その逆に入館カードと一緒にホルダーへ入れているせいで PiTaPa カードが改札で誤認識されるリスクも高まる恐れがある。よって、こういうカードはなるべく個別に扱わないといけないわけである。こういう煩わしさがあるからか、NFC に準拠して「すべてスマホでやってしまおう」というアイデアも分かる。

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