Scribble at 2020-10-28 16:11:44 Last modified: 2020-10-28 22:42:13

当社の幾つかの部門で使っている名刺は僕が版下をデザインして、ハート名刺さんに印刷・アセンブリを発注している。ちなみに、日本語では梱包やパッケージングのことを「アセンブリ」と言っているが、英語の "assembly" は「組み立て」という意味なので微妙に意味が違う。ともあれ、幾つか思うところがあるし、他の(まだ書けない)事情もあって、そろそろ版下のデザインを変えようと思っている。

現行のデザインは、非常にオーソドックスなものだ。上段左に氏名と役職名、上段右に会社のロゴマークがあって、そのまま左寄せで社名や住所や連絡先が並び、右下にプライバシーマークを印刷している。このほど ISMS は認証を取り下げたので、どのみちデザインは同じでも ISMS の認証マークを削除した名刺に全て取り換えなくてはいけないのだから、印刷コストが改めてかかるという点では同じことだ。それなら、いっそデザインも変えてしまおうというわけである。

名刺(business card, visiting card)のデザインも、限られた紙面に必要な情報を配置しなくてはいけないという点で、情報設計やビジュアル・デザインの良い教材である。ビジネスという点では、そもそも《必要な情報》とはなんであるかを決めるマーケティングの観点も必要だし、タイポグラフィの基本的な知識や Illustrator の操作スキルも必要だし(大半の印刷会社は Illustrator のバージョン 9 相当にコンバートした版下データしか受け付けてくれない)、受け取る相手に高齢者が多いのかも考慮する必要がある(正直、8ポイント以下の文字を老眼鏡で読み取るほどの手間をかけたくないので、やりとりする必要がある初対面の相手には御礼のメールを打って、コピペできる連絡先をわざと相手から返信で送ってもらうように仕向けているほどだ)。

今回、もう少し色を使って当社の印象をアピールしたいと思っている。ロゴマークには色を2つ使っているのだが、これは考えようによってはクリエーティブやチャレンジを意味するアグレッシヴな色と、上場を目指す企業としての適正なビジネスだとか堅実さを意味する色の二つだと言えなくもない。これらの方向性が異なる指向を二色で印象付けるような仕掛けを名刺にも反映したいという目標を置いている。しかしながら、名刺はあくまでもプロダクト・デザインの成果物なのであって、デザイナーとしての意欲を優先するべき「作品」などではありえない。よって、幾つかの制約はある。

レイアウトについては、たとえば中央に寄せた欧米によくあるタイポグラフィとか、あるいは左右を二つに大きく分割する罫線を引いて、氏名と役職名のブロック、そして社名や連絡先のブロックを左右に分けて配置するといった方法も考えた。しかし、前者は無駄が多すぎるし(センタリングすると左右に無駄な余白ができる)、後者は無駄が無さすぎるので(取れる幅が制限されるため、長い住所やメールアドレスが入らなくなる恐れがある。かといって文字の大きさを小さくするのは情報設計の観点からは本末転倒だ)、結局は却下した。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook