Scribble at 2020-04-24 11:33:38 Last modified: 2020-04-24 11:42:41

山中さんも使うようになったけれど、「共存」という言葉は何とかニュアンスを正確に伝える修飾表現と一緒に使えないものだろうか。本来は、緊張関係を維持したまま、自分たちの側がコントロールできる範囲で影響を抑制するということを意味しているのだろうとは思う。そういう意味では、国際関係だって同じことだし、競合している企業どうしにも同じことが言える。でも、「共存」という言葉は一部の社会科学者が何年も前から「棲み分け」のような言葉と一緒に濫用していて、影響関係を無視してよいどころか、さらに「なかよし」みたいなニュアンスを帯びて理解している一般人がいたりする。なので、そういう人たちにとって「感染症と仲良く付き合うなんて、一定の人間は死んでもいいというのか!」と噴き上がるきっかけを与えてしまう恐れがある。

もちろん、本来の意味で使おうと間違った意味で使おうと、言葉の意味なんて関係なしに罹患する人は風邪やインフルエンザのように事実として毎年たくさん出てくるだろうし、その何割かは亡くなる。しかし、公衆衛生上の対策をしている「共存」において人が亡くなるのは、あくまでも医療を施したり(完成すれば)ワクチンを接種した上での結果であって、一部の人々に《死んでもらう》といったニュアンスはない。もちろん、僕らヒトの側は新型コロナウイルスと共存《共栄》などするつもりはないのである。天然痘と同様に、撲滅できればそれに越したことはない。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook