Scribble at 2020-07-22 23:06:31 Last modified: 2020-07-22 23:09:30
やはりブルーバックスから刊行が予定されている『フィボナッチの数学』は今年中に出るかどうかも分からないようだ。いったい何が理由なのかはわからないし、まさか「黄金比」の安易な濫用を諫めていた個人の記事が牽制になっているとも思えない。それに、そもそも僕は当サイトから「黄金比という参照枠」(初出は 2007-10-21 11:16)という論説を取り下げているので、いま当サイトへアクセスしてもらっても黄金比についての論説は読めない(ただし、「黄金比という参照枠」にはクライアントや自社の批判は書いていない。無能または無思慮なデザイナーの安易な発想を叩き潰しているだけだ。この記事を取り下げた理由は、書き直しや再構成をする予定があることに加えて、他の記事と同じく、ウェブ制作にかかわる記事はすべていったん非公開にしたからだ)。
もし、その本で黄金比を過大評価して扱っているのであれば、最近になって出版された『グラフィックデザインにおける秩序と構築 --- レイアウトグリッドの読み方と使い方』(ユリシーズ・フェルカー/著、百合田香織/訳、ビー・エヌ・エヌ新社、2020)にも書かれているとおり、プロのデザイナーは必要もなく黄金比なんて使わないし、黄金比を採用したデザインの事例は逆に減っている(黄金比を使って紙面をレイアウトすると、逆に余白が多すぎる)と明言されている実情も一緒に理解しないといけない。もし、あなたがデザイナーになる気があればの話だが。