2021年09月12日に初出の投稿

Last modified: 2021-09-12

添付画像

ロングマンの英英辞典は、これまでに3冊を使ってきた。最初に買ったのは中学のときで、夏休みだけ通った塾の先生が桐原書店の参考書と一緒に使えと熱心に勧めていたし、基本となる2,000個の単語を覚えたら辞書を引けるようになるという発想が面白いと思った。次に、1991年の発行となっている "new edition" は、学部時代に購入した。上記の写真でお分かりのように、LDOCE(Longman Dictionary of Contemporary English)の初版は持ち運びに難儀するサイズだったという事情もあって、買い替えた。その後、色々な英英辞典を使ってきたのだが、2001年に発行された「3訂新版」(桐原書店がライセンスされて出している)で、ひとまずロングマンを買い替えるのは止めている。

3訂新版の後にロングマンを買い替えていないのは、再びサイズが大きくなってしまったからだ。ただでさえ大きなサイズの辞書は既に OALD (Oxford Advanced Learner's Dictionary)があるため、何冊も大きな辞書を置く必要はないし、そもそも辞書を買い替える必要がどこまであるのか疑わしいからだ。あれこれと買って英英辞典だけで10冊くらい持っているが、常用している辞書は2冊ていどである。しかも、メインの辞書を使っていて説明が曖昧だと感じたときにだけ、他の辞書を参照している(それでも、日本語としてどういう言葉に該当するのか、しっかり意味をつかめないときは、もちろん英和辞典を使う)。その他は、試しに古本屋で買ってみただけだし、興味本位だけで買った Collins English Dictionary の30周年記念版というのもある。

もちろん、一般論として言えば辞書は新しいほど「良い」とされているのは知っている。膨大な項目について、発行された後に蓄積した(たいていは残念ながら大量の)誤植とか不適切な例文や語釈が訂正されているからだ。しかし、その大半は辞書を真面目に使っていたら高校生でも分かるような間違いだったりするし、差別的なニュアンスの例文(辞書の例文に出てくる女性は、たいてい家事や子育てをしていて、男性はたいていビジネスやスポーツをしている)にしても、気をつけていれば英語の勉強にとって重大な問題が生じるようなものではない。そういうわけで、翻訳家でもないし必要以上に新しい辞書を次々と買ってゆく必要はなかろうと思う。だいたいにして、僕らは国語辞典を頻繁に買い換えたりしないし、それどころか国語辞典なんて年に1回すら手に取らない(用字辞典は手元に置いている)。辞書をアップデートしないからといって、言葉の意味や用法が変わっていく趨勢を理解できなくなるわけではない。要するに、その言葉を使い続けていれば、他人の用法と比べて変化が分かるからだ。英語も同じであり、辞書の方をアップデートしないと用法の変化についていけないとすれば、それは単に言葉を自分の文章や発言に使っていないからだろう。そういうことだと用法の変化についていけなくなるのは、母国語についても同じである。

こうして三冊の辞書を並べてみると、やはりロングマンの辞書は(この3訂新版までだが)過剰な色使いがなくてシンプルで好感が持てる。これ以降の版は、大きさだけの問題ではなく、多色刷りとなってしまった。まるで幼稚園児が使う辞書のようで、何がポイントなのか分からない。どれがポイントでも闇雲に覚えてしまう子供なら問題なくても、大人が使う辞書では不適切な紙面デザインだと思うのだけれど、いまではどこが発行する辞書も判で押したように同じデザインとなっている。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook