Scribble at 2022-11-29 15:05:30 Last modified: 2022-11-29 15:10:38

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11を漢数字にすると十一、縦に並べると「士」という字になります。実はこの「士」という字には、「さむらい」という読み方があり、元々「西向く侍」ではなく、「西向く士」であったということです。「士」という表現が徐々に使われなくなっていくなかで、より馴染みがある「侍」の漢字に変化していったようですね。

【慣用句】「西向く侍」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

オンラインのリソースには致命的な制約とか限界がある。おおざっぱに言えば、インターネットが一般の家庭に普及し始めた1990年代の末から後の約25年間くらいの情報はたくさんあるが、それまでの出来事や史実に関わる情報は、それを知っているか体験した人が何らかのウェブ・ページやブログ記事を書いたりウィキペディアのようなサービスへ記入しない限りは、非常に乏しいということだ。したがって、故事来歴の類も薄っぺらい解説だけの辞書サイトならたくさんあるが、それを本当の意味での語源について丁寧に調べる個人は少ないし、それをわざわざオンラインで公表する人はもっと少ない。よって、上記のような「クズ」としか言いようがないコタツ記事が大量にコピペで量産される。

その一つの事例が、31日に満たない月を覚える「にしむくさむらい」という語呂合わせのフレーズだ。「さむらい」が「士」と書いたことによるなんて、国立大学教育学部の学卒ライターには驚くべき情報なのかもしれないが、同じ国立大学教育学部の附属小学校に通っていた僕らのような小学生にとっては、こんな些事は国語の先生から教わった蘊蓄の一つにすぎない。

さて、上記では表現の変化という狭い意味での語源について説明されているが、もちろん僕らが「語源」という言葉で期待する説明は、それだけではなく、このフレーズの由来であろう。可能なら、誰が考案して言い始めたのかという資料なり証拠があれば面白いだろうし、なんでこういうフレーズが生まれたのかを知ることは興味深い。そして、このフレーズに限ったことではないが、このていどのことをどうして何年にもわたって同じ言語や習慣をもつ人たちの集団が共有したり継承するのかという社会言語学や民族学の話題としても面白い。でも、学卒やコタツ記事のライターに、そんな見識もなければ意欲もない。彼らにとっては、ページ・ビューとかアクセス数だけが問題であって、書いている内容なんて暦だろうと犬のウンコだろうとアクセスが増えるなら同じことなのだ。

よって、特に若い人たちに言っておきたいが、オンラインのリソースなんて99.9999%を無視しても全く問題ない(つまり検索して100万ページがヒットしても、読むに値するページはその中で1ページくらいのものでしかない)。人として善く生きるというならもちろんだが、そうでなくても(モテたいとか、金持ちになりたいとか、中国共産党の指導者になりたいとか、なんでもいい)、たいていの目的にとってウェブサイトで読める情報なんて限られた一部の話でしかないし、しかもそれが重要な話題だったり価値のある情報である保証など殆どないのだ。敢えて言えば、小学校から高校にかけてスマートフォンやネットを全く使わなくても東大に入れるだろうし、大学教授にもなれるだろうし、上場企業の経営者にもなれるだろうし、もちろんジャニーズ事務所やホリプロにも入れる。それこそ、別の意味で頑張ったら歌舞伎町でホストやキャバ嬢のトップにもなれるだろう。ネットやコンピュータなんて、実際のところ関係ないのだ。もちろん、その代わりに別の手段で情報を得たり勉強する必要はある(ホストやキャバ嬢は、よく勉強してるよ)。

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