Scribble at 2026-06-27 08:45:09 Last modified: 2026-06-27 08:49:16

添付画像

Unlocking the Cloudflare app ecosystem with OAuth for all

OpenID について書いていた頃からでも10年以上は経過しているので、もうこんなキャッチ・フレーズにコメントする気もあまり起きないのだけれど、もちろん特定の企業が口にする "all" というのは「すべてのお客様」という意味であって、「万人」なんて意味ではない。ご承知のとおり、既に OpenID で独立した認証プロバイダを運用しようなんて個人はいないし、それを提供する自治体も殆どないわけで、OpenID の実装事例は、残念ながら僕の予想どおり、ことごとく big tech のマーケティング・ツールと成り下がっている。Google のログイン機構を利用するユーザは、Google ユーザとしてのアイデンティティしかないのだ。

アイデンティティ、そしておそらくはアイデンティティから派生すると考えられるプライバシーという観念についても言えることだが、これらは通信ネットワークがあろうとなかろうと成立してきたし、これからもそうなのである。したがって、僕のような哲学者に言わせれば「デジタル・アイデンティティ」とか、ネットワーク通信という条件のもとでのプライバシーという概念を設定して議論すること自体に、特定の法令、特定の文化、特定の技術、特定の産業、それどころか特定の事業やサービスに依存するような、はっきり言って浅薄で愚かな思い込みが混入するリスクがある。もちろん、具体的な事案を議論する必要があれば、そういう節度をもって議論することはよいけれど、それがアイデンティティやプライバシーの議論のスタンダードであるとか本質であるなどという思い込みは困る。僕がアイデンティティやプライバシーを議論するときに、おおよそ情報セキュリティや個人情報関連の技術者や法学者や社会学者、いやそれどころか通俗本を書くしか能がない社会思想研究者の著作を無視しているのは、これが理由である。こういう、不見識な人々の議論は、しかるべきプロンプトを与えて議論させた生成 AI のレスポンスにも劣るようなゴミなのである。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る