Scribble at 2026-06-27 11:12:36 Last modified: unmodified
クローズドな LLM のモデルと、オープン・ウェイトのモデルとで、どのくらいのギャップがあるかという話だが、一般論としてはオープン・ウェイトのモデルが追いかけるようになっている。もちろん、企業が最初から LLM モデルをオープン・ウェイトとしてリリースする場合もあるけれど、いまやオープンにする利益はシェアの確保やプレゼンスといったマーケティング以外になく、効果がなくなると判断されたらオープン・ウェイトのトレンドは失速するだろう。
ただ、ここでは既に何度か書いているが、既に個人ユースとしては十分なクォリティの画像や音楽を生成できるレベルに達していて、特にロゴのように精密なタイポグラフィや図形を描く必要がない描写が簡単なアニメや漫画といったイラストについては(もちろん人が描くのは大変なのだが)、私見では SDXL (Illustrious XL) と LoRA などの技術が出揃った2年前の時点で一定の成果に飽和していると言ってよい。ぶっちゃけ、それ以降にリリースされた FLUX や Z-Image や Anima などを使った意味があるだけの高品質なイラストなんて殆ど見かけない。メディアがアホみたいに些末な違いをネタに騒いでるだけだ。現に、SDXL Lightning という2年前の技術で大量につくった、僕がここで何度か投稿した壁紙の画像を超えるようなクォリティの写実的な画像を ASCII や Impress などの記事で見たことなんて一度もない。イラストやアニメについても、おおよそ投稿を集めているサイトで僕が驚くような品質のイラストなんて殆どない。あるとしても、せいぜい描写のスタイル(浮世絵風とか水彩画風)のような効果としてすぐれたモデルを見かけるていどだ。
これはつまり、非公開の LLM やオープン・ウェイトのモデルについて、今後のトレンドがどうなっていくのであれ、既に公開されたモデルを取り返すことができず、一定のクォリティを生成する方法として普及してしまったからには、これを失効させたり無効にするなんてことはできないわけで、SDXL のアーキテクチャと大量の(法的に問題があるのは事実だが)学習を行ったオープン・ウェイトのモデルをバラまいてしまった2年前の時点で、既に point of no return を通り過ぎてしまったのである。もう、家庭用のパソコンでジブリや新海誠や京都アニメーションや MAPPA や Production I.G. などのアニメ作品と同じスタイルのイラストをいくらでも描ける環境が揃ってしまったのだ。
それでも、オープン・ウェイトはマーケティングを目的としてシェア争いの道具としては使われ続けるわけで、特に中国企業のようにアメリカが主導しているサービスに対抗するためにオープン・ウェイトを出すインセンティブがあるなら、これからもオープン・ウェイトの高性能なモデルが出てくるだろう。実際、最高モデルは既にオープン・ウェイトでも家庭用のパソコンでは使えないスペックを要求しており、ファイン・チューンされたオープン・ウェイトの需要は家庭だけでなくビジネスの現場でも高まる可能性はある。ChatGPT や Claude などの企業ユースでのサブスク料金が上がる可能性もあるからだ。