Scribble at 2024-06-19 07:59:55 Last modified: unmodified

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FTC Takes Action Against Adobe and Executives for Hiding Fees, Preventing Consumers from Easily Cancelling Software Subscriptions

https://news.ycombinator.com/item?id=40707558

FTC が Adobe を訴えたという報道もさることながら、これに関して Hacker News に投稿されているコメントにも興味深いものがある。なんでも、25年前の Adobe は個人が海賊版を使っていても大して危惧していなかったという。なぜなら、Adobe 製品を使うことが習慣になってしまえば、会社でも Adobe 製品での作業を求めるようになり、会社はどのみち正式なライセンスを購入せざるをえなくなるからだ。つまり、当時の Adobe は企業でのパッケージ購入だけを当てにして事業を展開していたとも言える。そらね、2000年代の初頭と言えば、2ちゃんねるでもロシア人が作ったシリアル・ジェネレータなんかが頻繁に紹介されていたものだよな。フリーランスなんて海賊版を使うのが当たり前みたいな様子で、発注側もそれを知ってたし、なんなら企業ですらジェネレータを使ってるところもあった。当社のようにアップ・グレードするたびにパッケージ版を購入して、CD のケースやら箱やらでキャビネット1台が埋まってしまうなんてウェブ制作会社は、寧ろ珍しかったんじゃないかな。

その後、Adobe は方針を変えて全てのユーザを相手にするようになった。ご存知のとおり、Adobe Creative Cloud というサブスクを導入し、パッケージ販売を止めたわけである。それまでに獲得した圧倒的なシェアを頼りにネットワークでの認証を必須として、インストール状況だけでなくコンピュータから取得できるあらゆる情報を Node.js によって Adobe のサーバへ送信するというスパイ活動を平然と行い、ライセンスを個別に購入している企業には「アンケート」と称して利用状況を確認する電話を半年ごとに実施する。

何度も言うように、ウェブサイトのデザインに利用する画像を編集するために必要な機能というのは、僕に言わせれば初代の Photoshop Creative Suite (CS) ですら十分だと思う。それ以降の Adobe 製品に追加された機能は、簡単に言えば無能が自力で編集できないレタッチ操作を代行させたり、フィルターやパスの操作を理解していない未熟者の手間を減らすために考案されただけの、鈍重なショートカットにすぎない。本来、プロのデザイナーというものは画用紙に鉛筆で描いただけのイラストでも電通案件の納品物にできるような人材を指しているので、こんなツール一つで仕事ができるできないを議論している時点で未熟者の自己紹介をしているようなものだ。したがって、Adobe 製品かどうかにかかわりなく、僕には鉛筆1本で電通に納品できるだけの才能はないから、どう考えても「2流」のデザイナーなのである。せいぜい、僕が1流なのは、中学の頃から実家の薬屋の店頭で使うポップを描くために訓練したレタリングとかフリーハンドの技能(地理のノートに書き込む日本地図を手書きで描いていた。もちろん、分割して都道府県別にも描ける)くらいだ。

よって、納品物として Adobe のファイル形式が要求されているような印刷物の仕事ではともかく、ウェブ・コンテンツの制作で Adobe のファイル形式のままクライアントへ納品することは滅多にないのだし(案件で制作に使ったファイルは、たとえばアイドルや俳優の「修正前の写真」などが含まれるから、一定期間が過ぎたら廃棄するのが当然だ)、そろそろ Adobe のツールを当たり前のように使うのは再考したほうがいいと思う。それに、財務から言っても Adobe Creative Cloud の法人契約だと年間の利用料金が10万円に迫る。その割に、うちの会社でも制作部署のメンバーですら僕のように AfterEffects や InDesign を使ってる人は殆どいないわけで、実質的には Photoshop と Illustrator と Acrobat くらいが使えたらいい。それらの使用料金が年間で9万円ちょっとというのは、いくらなんでも高額すぎると思う。しかも、僕らは法人契約だから代理店に契約解除の手続きをすればいいだけだが(法人の場合も、実は面倒臭い書類を出さないといけないわけだが)、上記のように個人での契約ともなると、あれやこれやとミスリードな画面に誘導されたり、Adobe ID のサイトをたらい回しにされたりして、なかなか契約を解除できないという問題があろう。

いまのところ、デザイン・ソフトで企業を分割するなんてことは難しいのだろうけど、圧倒的なシェアを当てにした傲慢なことを繰り返すのであれば、日本でも独禁法違反で何らかの措置を取ったほうがいい段階にきていると思う。サブスクなんて、いっときは程度の低い IT コンサルやマーケティング屋にもてはやされたものだが、要するに麻薬の密売人と同じ発想なんで、カタギのやることじゃないんだよな。

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