Scribble at 2021-10-15 18:11:21 Last modified: 2021-10-16 20:38:23

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菅原裕子『コーチングの技術 ― 上司と部下の人間学』(講談社、2003)

そう時間もかけずに目を通せるし、大切な要点を的確につかめる。入門書として、よく出来ている本だ。ウェルチが GE で導入した施策に心酔しているかのような傾向はあるが、コーチングの唱導者なのだから当然でもあろう。また、とりわけ自分自身に対するコーチングの採り入れ方を分かりやすく展開しているので、すぐに実行できるのが本書の良い点である。

ただ、総論として評価すれば、こういう本が昔から続々と書かれている理由を考えると、今度は企業の経営側にいる役職者としては意気消沈させられる。つまり、この本が言っていることを簡単に言えば、仕事のやり方について、もう少し丁寧で正確かつ厳しく考えてみたらどうかというだけのことだからだ。もちろん、たいていの人々は意気込んで入社し、それなりに充実感をもって仕事に取り組んでいるのだとは思う。でも、経営側から言えばルーチン・ワークにすぎない。自分たちで考えて仕事に取り組んでいないということである。

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