Scribble at 2023-02-08 17:35:40 Last modified: 2023-02-08 19:31:29

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Teaches users how to work with the FreeBSD operating system, covering such topics as installation, working with applications, shell programming, system configuration, printing, security, and networking.

FreeBSD 6: Unleashed (Brian Tiemann and Michael C. Urban, SAMS, 2006)

本書は古い版が『標準FreeBSDリファレンス』として翻訳されていたのだが、もともと FreeBSD の本は10年ほど前までしか出ていないため、この新しい版でも2006年の出版である。僕は、最初に『Absolute BSD FreeBSD システム管理とチューニング』という Michael Lucas の本の翻訳を読んで FreeBSD に親しんだのだが、これも2004年の発売であり、初めて読んでから20年近くが経つ。さきごろ Raspberry Pi の運用を止めて VirtualBox のゲストとして FreeBSD を使いなおそうと思い立って使い始めたのだが、もちろんインストールしたのは 13.1-RELEASE という最新の OS であり、上記の本などは参考までにとどめておいた方がいいだろう。

でも、たまたま上記の本を電子書籍として読む機会があって目を通してみたのだが、やはり枯れた技術を丁寧にメンテナンスしているだけあって、いまでも参考になる内容が多い。そして、僕のようにウェブ・サーバの運用という目的だけで FreeBSD を使ってきた人間として言えば、この本のうち半分以上は読む必要がないのだ。たとえば印刷なんてどうでもいいし、headless としてしか使ったことがないのだから、X.org に関連する記述は無視している。そして csh / tcsh のコンテンツを公開していて言うのも変だが、シェル・スクリプトや Perl の概説なんかも読まなくていいだろう。もっとはっきり言ってしまえば、Linux の運用経験があるなら、最も大きな違いは Ports によるパッケージ管理方法、つまり Part IV の "System Administration" の一部くらいだろう。約1,000ページにも及ぶ大著ではあるけれど、(僕と同じていどに)Linux の運用経験もある方なら、第4, 8, 13, 14, 16, 19, 23章くらいに目を通せばいい筈であり、1日で消化できるだろう。

そういう意味では、かなり総覧的な書き方をしていて、Windows との比較なんて記述もたくさんあるため、人によっては無駄な内容が多いと感じるかもしれないが、それだけデスクトップ・マシンとしての UNIX というキャンペーンを展開していた時期があったという歴史的な事情もあったのだ。だが、そういうことを差し引いても、本書は非常に読みやすくて色々な歴史的な背景についての興味深い解説も入っていて、よく出来ている教科書だと思う。

・・・ちなみに、いま VirtualBox のゲスト OS で gforth をインストールしているのだが、そもそも gcc とか perl とか色々と依存関係があって、酷く時間がかかっている。もう1時間はやってるが、いまだに gforth 本体のインストールが始まらない。

[追記:2時間後] 結局、数時間かかって gcc のコンパイルに失敗して全て台無しである。あと、VirtualBox のゲスト OS の挙動が原因で、Windows そのものが急激に遅くなり、最新の MMORPG すらプレイできるマシンなのに他のアプリケーションが動作しなくなったりする。うーん。どうも、こんなイカサマ環境で FreeBSD を動かすのもリスクが大きいようで、とにかく Debian 系 OS だろうと FreeBSD だろうと、Raspberry Pi とか仮想化とか、そういうものでは仕事に役立つ勉強の環境とは言えないように思うね。とにかく不安定だし、負荷が大きいし、下らないバッド・ノウハウで作業が進まないというリスクが大きすぎる。ホビーや暇潰しならともかくとして、生活や仕事の道具としては、こういうものは使えないね。ということで、VritualBox も僕の仕事の道具になる資格がないと判断して消した。いまのところ、もっとも安定した UNIX のマシンとしては、やはり MacBook Pro の上で動かすしかないのだろう。FreeBSD の動く単独のマシンがあれば望ましいが、そもそも僕らの仕事は OS を動かすことではなく、金を稼いだり会社を経営するための成果を出すことなのだ。それに比べたら OS の違いなど犬のウンコみたいなものでしかない。有能な人間は、現に CentOS だろうと FreeBSD だろうと Winows 11 だろうと macOS だろうと関係がない。どこであれ動くソフトウェアがあればいいし、なければ同じ成果を上げられる道具を代わりに選ぶのが「ビジネスマン」というものだ(僕らはプログラマやシステム管理者であるよりも先に企業人である)。ちなみにフェミニズムに抵抗しているわけではなく、僕は「ビジネスパースン」という都内の軟弱男が口にするような言葉遣いが嫌いなだけである(ああ、こういう言い方もフェミニストを怒らせるのだろうな)。

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