2022年02月14日に初出の投稿

Last modified: 2022-02-14

Amazon でクズみたいなメモ帳のスパムを排除するために、たとえば "cambridge university press" のように出版社名で検索していたりすると、"Cambridge Nationals" といった新しいシリーズの本を見つけたりする。これはイギリスの中等教育を修めたレベルの国家試験である GCSE (General Certificate of Secondary Education) で使うテキストとして発行されている冊子だ。イギリスでは、Oxford でも Cambridge でも大学出版局が初等・中等教育の教材も編集・発行している。それだけ大学や教育行政から独立していて堅実なファイナンスや組織が維持されている証拠でもあろう(もちろん、それは著しい格差なり階級制度の反映とも言える)。

しかし、この GCSE で課される科目を見ると、必修は英語(イギリスで言う「国語」だ)と数学と自然科学だけであるから、もちろん人文・社会系の科目も選択できるしする人が多いと思うが、実質的にアメリカの STEM (science, technology, engineering, mathematics) と同じような趣旨の制度だろう。もちろん、アメリカやイギリスにも STEAM (STEM + Arts) などと提唱する人たちもいるし、おおむねこうしたキャンペーンは為政者だけでなく、既存の IT 企業の経営者や投資家にとっても都合がいい(国民は政治や歴史や財政や法律、なかんずく哲学は知らずに小手先のモノづくりや金儲けだけしていればいい)。よって、敢えて反対して多様な科目を教える場合もある。もし、アメリカで増えていると言われているホーム・スクーリングが、こうした〈技術・金儲け志向〉への反動も含まれているなら、一概に金持ちが子供に英才教育を施す道楽とだけ言ってはいられない。

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