Scribble at 2021-10-01 17:11:08 Last modified: 2021-10-01 17:25:48
よく考えたら Merriam-Webster の使える辞書を持っていなかった。いや、正確には Merriam-Webster の小型辞書は持っていたのだが、暫く使わないあいだに文字が小さくて扱い辛くなったため、新調したと言うべきだろう。もちろん米語が掲載されているだけなら Macmillan の辞書を持っているのだけれど、もう少し大きな辞書ということで、この Merriam-Webster's Advanced Learner's English Dictionary を手に入れた。届いてみると OALD よりも大きな判型だったのだけれど、自宅で使うのだから大きさは特に問題ない(とは言え、既に持っている Collins の30周年記念版ほどのサイズだと引き辛くて常用はできないが)。
版面のデザインは2色刷りの2列である。黒はともかくブルーが落ち着いたトーンであるため、扱い易く感じる。僕が所持している LDOCE の3訂新版や OALD の第8版も2色刷りだが、これらは見出し語の方がブルーで、もっとトーンが高い色であるため、黒と色の差が明確に分かれていて、見易さの印象としてはギリギリだ。それに比べて Merriam-Webster の方は色合いの差が少なくて、逆にじっくり眺めないと2色刷りであることに気づかないほどである。しかし、これは当たり前と言える。なぜなら、辞書で最初に目立つべきは見出し語であり、例文の方が目立つ辞書なんておかしいからだ。そういう意味では、どうして Merriam-Webster が例文の方をブルーにしているのか不明なのだけれど、何かの知財に関連して見出し語の方に着色できなかったのかもしれない。もちろん、こういう常識とは逆の配色は前例や他の例がないわけでもなく、たとえば日本の出版物だと六法全書で条文よりも判例の方に着色している事例がある。やや違和感があるが、使っているうちに慣れるのだろう。それにしても、インクの匂いが強い。嫌ではないが、人によっては気になるのだろうな。ただし、洋書によくある白人の体臭みたいな匂いではなく、まったくインクや紙の匂いだから、さほどヘンな感じはしない。
なお、OALD の第8版と比べて、判型としては幅が 1cm ほど大きな Merriam-Webster ではあるけれど、収録語数は OALD が184,500語(1,796ページ)に対して Merriam-Webster は100,000語(1,909ページ)となっている。つまり、Merriam-Webster の方が1語ごとの定義や例文が多いということだ。両者とも ESL (English as Second Language)向けの辞書ではあるが、Merriam-Webster は表紙にわざわざ16万の例文を掲載していると謳っているくらいだから、収録語数よりも例文を充実させているのだろう。もちろん10万語を超えるような段階であれば、"advanced learner" としての僕は大差ないと思っている。その段階の語彙で多いの少ないのと文句を言うような人は、既に "learner" ではなかろう。