Scribble at 2021-03-06 01:22:26 Last modified: 2021-03-07 09:59:48

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Beginning Rust From Novice to Professional by Milanesi, Carlo

Apress のサイトで、Rust の入門書としてはお勧めできる本の書誌情報を眺めていた。驚いたことに、1章分の値段と書籍全体の値段が電子書籍として殆ど千円くらいしか変わらない。そもそも電子書籍なのだから、かさばるので1章だけ買うなんて人はいまい。というか、もともと1章だけ買う人なんてのは、有名な論文だけ読みたくてアンソロジー全体はいらないという人だけだったろうと思う。そういうニーズが電子書籍にまであって、しかも書籍全体と変わらないような価格設定で売れると見越しているのだから、実際にこれでも1章だけ買う人がいるのだろう。

もちろん、著名な論文を1本だけ読みたい人にとっては、アンソロジーを1冊まるごと買う値段を払っても読みたいのかもしれないが、章立てになっている電子書籍にまで同じニーズがあるというなら、観念としてよほどの潔癖症か、あるいは数十メガバイトのファイルをダウンロードすると動かなくなる30年くらい前のコンピュータを使ってる人物で、必要な章の他は1バイトもコンピュータに保存したくないという人だろうか。ともかく、どんな境遇の人がそういう買い方をするのか、決してバカにしているわけではなく、単純に興味がある。

それにしても入門書が5,000円を越えるというのも、確かに洋書だからとは言っても困ったことになってきている。今日の時点で1ドルが108円くらいだから、僕が仕事としてシステム開発を始めた2001年頃と比べても、たいして為替レートは変わっていない。でも、その頃はアマゾンで5,000円も出せば、Apress の Unleashed シリーズとか、McGraw-Hill の Complete Reference シリーズとか、あるいは Wrox とかの分厚い技術書くらい買えた筈だ。実際、僕がアマゾンで買った購入履歴をたどってみると、2002年に買った "Actionscript: The Definitive Guide"(約800ページ)は、ちょうど5,000円くらいだし、2005年に買った "PHP 5 Unleashed"(約840ページ)も、5,300円ほどである。対して、2006年に買った "PHP|Architect's Guide to PHP Design Patterns" が360ページで3,500円くらい(これも入門書とは言えないが)、2008年に買った "Digital Identity: Unmasking Identity Management Architecture" が250ページで3,500円くらいだ。

それが今では200ページに満たない入門書が5,000円くらいで販売される。やはり印刷部数が少なくて一冊あたりの値段が上がったり、インフレの影響だったり、色々な理由で高くなっているのだろう。でも、僕らの手取りってぜんぜん上がってないんだよね、その頃から。まぁ、このままくたばるまで働けて物価も大して上がらずに同じ給料がもらえるなら文句はないけどさ。そういうわけにはいかない。どのみち会社をやめる日はくるだろうから、そのあと年金だけで食っていけるなんて大半の人は思っていないだろう。おそらく僕らの世代は、満額の年齢までもらわずに頑張っても、もらえる年金なんて月額にすれば5万円もあれば良いほうだと思う。というか、日本の財政がディフォールトしたり、年金制度が破綻しないという前提の話だが。

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