Scribble at 2023-07-20 10:21:06 Last modified: 2023-07-21 00:52:15

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boy55 / My parents vaguely remembered who Kevin Mitnick was when I gave my father my copy of 'Ghost in the Wires' to read. / I told him, this was the 'hacker' of the 80s, read how he managed to 'hack' all these places. My father replied, "I'm pretty sure I won't understand anything he would do". Me, "Just give it a chance, you'll be surprised" / When he gave the book back, I asked my father if anything Kevin did my father wouldn't have understood. My father said, "I understood everything he did". I asked, "Now, when you get a call from someone you don't know claiming to be an authority figure, what do you do?". Father: "Hang up"

Kevin Mitnick has died (dignitymemorial.com)

かつて FBI と下村努氏が協力して逮捕した「伝説のクラッカー」であるケヴィン・ミトニック氏が膵臓癌で亡くなったらしい。59歳とは若いが、スティーヴ・ジョブズも膵臓癌で56歳という若さで亡くなっており、やはり膵臓癌は深刻な状況にならないと自覚症状が起きないため、いまだに早期発見も治療も難しい病気なのだと実感させられる。

この人物が或る種の有能なクラッカーであったことは間違いないのだが、僕は過去のエンジニアや発明家らを(もちろん学者も含めてだが)過剰に高く評価することには反対だ。なんと言っても当時の状況は歴史的な事実として分からないことが多いのであり、少なからず当人たちが「話を盛っている」可能性を否定できない。これは史料批判においても基礎となるような話であり、意図しようがしまいが人には思い違いや思い込みによる記述が混在してしまうリスクがある。ましてや政治家や芸能人など、自分でやったことの本を書いているような人物なら、少なからず事実に反する(しかし法的な問題はないていどの)嘘は色々と勝手に書かれる恐れがある。

つまり何が言いたいかというと、その当時のコンピュータや通信は、彼らのスキルがあればクラックできたほど未熟だったという点を差し引いて評価してはいけないということなのだ。そしてもちろん、彼らがクラックすることによって基準がさらに引き上げられたのであろうから、彼らに一定の評価はなされてよい。しかし、「伝説の~」とか、そんなことまで言って神格化するほどの人物ではないと思うね。

[追記] スレッドでコメントを付けたユーザの発案から、Hacker News のヘッダに喪章ならぬブラック・ベルトが飾られたようだ。既にコメントは500件近く、upvoting も2,000を超えており、大半が彼を英雄視していて、中には下村氏を「犬」扱いするような人々もいるようだ。まぁ、日本でもヤクザ映画や不良少年の漫画を人生訓として楽しむ人々はいるわけで、確かに僕も『今日から俺は!!』とか読んでた気がする。でも、犯罪者は犯罪者だし、別に彼が法を犯してまで巨悪に立ち向かったわけでもない(たった4年の禁固刑を受けたていどの罪なのだから、国家機密の漏洩などに比べたらコソドロのレベルだ)。

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