Scribble at 2023-03-17 10:28:14 Last modified: 2023-03-19 01:12:53

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Facebook では頻繁に見かける広告なんだけど、本を預かるトランク・サービスとか、街中のトランク・ルームって、5年と続いた会社って一社でもあるんだろうか。そもそも継続可能な事業として成立しないってことが、なんで分からないんだろう。それとも、この手の事業を始めたらもらえる何か特殊な助成金を繰り返してもらいながら食い繋いでるようなやつがいるのかな。特殊な業種とかについて都道府県ごとに助成制度があると、地方を巡りながら食ってるようなやつがいたりするんだよね。まぁでも大阪市や大阪府で、こんな事業をわざわざ助成したりサポートした方がいいという公益なんてないよな。本なんて、とりわけ自宅の蔵書なんか勝手に買って勝手に積み上がってるだけの贅沢なんだから。うちなんか典型だと思う。

本に限ったことじゃないと思うけれど、何かの荷物を別の場所に預けなくてはいけないほど大量に集めたり買い込むってこと自体が、何のマニアであろうと珍しいことだよね。ごくごく平凡な家庭に、うちみたいに本(しかも半分は洋書)が4,000冊ありますとか、あるいは他の家庭でも牛乳瓶の蓋が100万枚ありますとか、いろいろな国で発売されたゲイラ・カイト(古いな)が1,000張あるとか、あるいは90年代のCDを1万枚もってますとか、そんなやつ、そうそういないだろう。そして、仮にいたとしても何割かは十分に収蔵できる部屋とか庭を確保できるわけで(その程度の金持ちでもなければ、そういうコレクション自体に使えるお金をもってないだろう)、もともと市場として事業を展開して収益を上げられるだけの規模がないと思うんだよね。「あったら便利」という発想でサービスや事業を始めるのは、必ずしも間違いではないけれど、それが事業として継続できるためには、やはり市場の規模が必要だ。凡人なんて他人も同じことを考えつくわけだから、必ず同じようなサービスの競合がある。最初からシェアの奪い合いなんだから、自分勝手に市場規模と売り上げを希望的観測や妄想で皮算用することが、ベンチャーでは致命的な失敗に直結する。

これに加えて、初期条件よりも致命的なのが、トランク・ルームや本の預かりサービスというのは、市場規模がこれから将来に拡大する理由が全くないということだ。人がいきなり何かの流行で物をたくさん買い集めたり貯め込むようになるとか、どういう原因や理由で想像できるだろうか。みんなが急に、何かのテレビ・ドラマとか有名なインフルエンサーの影響で、本や雑誌をどしどし買っては自宅に置くようになるとか、あるいは何かのコレクターに変貌するとか。そんなのありえないだろう。つまり、そういうサービスを利用したくなるか利用せざるをえなくなるような生活スタイルに変わる理由とかきっかけが殆どないし、広告代理店などを使って煽ったり騙してブームにするような仕組みも、たぶん難しいと思う。これから育つ若い人が物を貯め込むライフ・スタイルになっていくなんて予想はできないし、いまいる人が老人になって物をたくさん買い込んだり貯めるようになるかと言われても、そんな将来があるようには思えない。つまり、市場としてユーザが増えていく見込みが全くないわけだよね。

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