Scribble at 2021-03-25 20:06:39 Last modified: 2021-03-25 20:10:50
Springer で見かけた本だ。興味深いタイトルに惹かれて中身を見せてもらったのだが、目次を眺めて唖然とした。ふつう "handbook" と称する著作は或る分野の基本的な概念や方法論などを紹介して、応用に至るまでそれなりに体系的で包括的と言いうるていどの事項をまとめているのが相場なのだけれど、個々の著者がバラバラに些末なプロダクトの利用事例や発展的な内容を論じた文章を集めただけのアンソロジーに近いものとなっている。そして、必ずしも offensive なニュアンスだけで言うわけではないが、大半の著者が特定の人種なり国籍の人々と思われる名前なのはどうしてなのか。一定の地域で活動する研究者を中心にアンソロジーをまとめたというなら、それでもいい。しかしそれなら、中身を見た人間として言えば、このようなタイトルで本を出版するのは相当に不遜な印象を感じる。