2021年07月19日に初出の投稿

Last modified: 2021-07-19

“Our results suggest that parenting training may not be sufficient to close the academic achievement gap without addressing the broader issue of income inequality,” Srinivasan added.

Word gap: When money’s tight, parents talk less to kids

所得の格差が色々な影響を及ぼす、つまり他の色々な格差になって現れるという話は、それこそ昔から多くの社会科学者が警鐘を鳴らしてきた事実と言ってよい。

既に有名な話だが、ここ東アジアの僻地においても、偏差値80以上の大学へ進学する子弟の多くは、平均的な年収を遥かに超える金持ちの息子や娘である(某芦屋大学など、名目だけのために多くの裕福な家庭の子息が集まる特殊な低偏差値の大学もあるが)。なぜなら、貧乏な家庭の子供であるほど高額なコストのかかる予備校へ行けず、地方だとサテライト教室へ親が車で送ってくれる状況にもないし、問題集を何冊も買えないからだ。そして勉強する道具が揃っていたとしても、貧しい家庭では子供が家事の手伝いをすることが多いため、そもそも勉強できる時間が少ない。また、裕福でない家庭の子供になればなるほど、幼い学年で落ちこぼれたり勉学への意欲が減退して、実際には道楽好きに見える金持ちの子息よりも娯楽や暇潰しにハマりやすくなり、また同じ境遇の子供も多くて同調圧力が強くなるため、途中で「やっぱ勉強するわ」と止めるのも難しくもなる。しかも現在はスマホがあれば幾らでも時間を浪費できる。これらに加えて、そもそも貧しい家庭では、大学受験の旅費や受験料金を捻出できない。こんなことは、既に社会科学者に教えられるまでもなく多くの人が常識的に分かっていることだ。そして、おおむねこのような影響は世代をまたぐ悪循環の一種として、次の世代にも引き継がれることが多い。生活保護や片親、あるいは何らかの差別的な扱いを受けている地域とか出自の家庭に育った子供が、IT ベンチャーの社長になるなんて大袈裟な例外を持ち出すまでもなく、上場企業や銀行あるいは官公庁に就職することですら稀である。

こういう場合に、福祉とか金融つまりは金銭で解決するという身も蓋もない(そして、実は殆どの社会科学者には具体的に実行する権力もなければ、実務的なアイデアすらない)事実を脇へ置いて、社会科学者や行政担当者の多くが、啓発、教育、研修といった、要するに知識や情報や技能を教えて〈自分で解決〉してもらうというアプローチを提案する。それは、子育て講習のようなものだけでは不十分であることなど UC Berkeley の心理学者に教えてもらうまでもなく、誰でも知っているからだ。

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