Scribble at 2022-04-29 10:04:52 Last modified: 2022-04-29 16:50:41

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A Design System for Interactive Fiction

数日前に、入力した文の後続部分を補うテキスト生成のサービスを紹介したが、自力でストーリーを生成するシステムなら、アドヴァンチャー・ゲームという用途に限っての話では Inform も何十年の実績がある。最近でこそフェイク・ニュースを合成して投稿するメディアとか、ウイルスあるいは暗号資産の解析 JavaScript が仕込まれたページを大量に色々な言語へ翻訳して生成している(たいていは出鱈目なドメインの)偽ウィキペディアとか、この手のテキスト生成や解析の技術は応用が進んでいるけれど、もともと理論としては半世紀以上前からあるし、実装も着実に続けられている。知らないのは一般人どころか IT ジャーナリストや大多数の本職のプログラマも似たようなものであるというのが現状だろう。

要するに、英語で文章が読めるだけでは、実はその人の「世界」なんてまともなスケールで広がったりしない。本当に見分を広げるには、やはり目をどこへ向けるべきか、そして向けた先の情報を的確に扱えるための学識というものが必要なのである。それを属人的な才能で見分けられるラッキーな人はいるけれど、そんな偶然に頼って適当な〈アカデミック雑談〉を YouTube などで展開している、東大やハーヴァードの学卒ていどの小僧が何を言っていようと、そういう連中に真の意味で世界を変える力などありはしない。

さきほども NHK で画になるだけが取り柄の偏った「学問」を紹介するクズみたいな番組をやっていたが、そういうものの大半は他の、表に出てこない研究や実験や思弁にフリーライドしている仇花にすぎない。また、PHILSCI.INFO でも何日か前に書いた話だが、イージーで、凡人の未熟なお腹に入れても消化しやすい学問の成果なんて、世界を変える力などない出版・マスコミや芸能人だけが喜んで口にするような離乳食なのである。正直、日本の哲学プロパーや物書きが主催するセミナーやイベントに参加したり、彼らの書く実のところ学問とは殆ど関係のない程度の低い(と比較できる資質があると認められたからこそ、僕は大学院の博士課程に進めたのだとも言える)読み物を読み漁って、自分自身の切実な課題や動機をはぐらかしたり捏造するようなイカサマ芝居を自ら演出したり〈主演〉するような自己欺瞞を続けたところで、ママのおっぱいや離乳食だけで腹一杯になった人(それが何歳の人物であれ)みたいなものだ。恥を知るとよい。

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