Scribble at 2023-06-11 08:57:35 Last modified: 2023-06-11 09:09:26

ここでは何度か書いている話だが、まとまった論説としておく方がよいと思ったので、"A Rage of Traditional Wet Shaving was Over" という単独のページを作っている。

YouTube では、僕がよく見ている GORO さんの動画も更新されなくなって半年くらい経つし、彼が「日本を代表するウェット・シェーバ」とか紹介していた人物のチャネルも、1年くらい更新されていないようである。日本人の髭剃りに関わる動画としては、ほぼ二種類の動画だけが熱心に更新されており、一つは SR マニアの天然砥石の自慢話であるか、あるいはガキが安全剃刀や SR を「使ってみた」と言ってはステマにすらなっていない下手な商品広告を垂れ流している動画だ。こういうガラクタが1憶本ほど蓄積されても、人類の叡智どころか僕ら大人の生活習慣やグルーミングについての知恵を 1mm も改善したり進展させない、いつも僕が言う「ゼロの足し算」にすぎない。あるいは、もう少しはっきり言うなら「無意味」というやつだ。かようにして、実は髭剃りについての日本でのプロモーションやパフォーマンスというものは、かなり散々な状況にある。そして、これはこれで当然だろうと思う、という話をしたいので単独の論説を書いている。

僕の見立てでは、たとえばカートリッジの安全剃刀や電気シェーバの広告なんて殆どなくても、髭を剃らない成人男性は殆どいないので、ほぼ市場規模が安定して維持されているのだから、実際には商品の売り上げを左右するのは広告や宣伝などによる動機付けなんかではなく、薬店や量販店でのセールとか商品陳列といった販促やディスプレイの方が効果は大きい(しかしそれも限界はある)。こういう市場なので、実はビジネスとしていちばん重要なのは商品開発や広告宣伝ではなく商品供給なのである。店頭にありさえすれば売れるからだ。そして、髭剃り用品が爆発的に売れるとか売れなくなるなんてことはないのである。

こういう事情があるせいもあろうが、日本だけに限って言えば traditional wet shaving のブームなんて起きてすらいない。海外でも、『007 Skyfall』をきっかけにブームとなった(あるいはブームが更に後押しされた)なんて雑な話がいまだに書かれていたりするけれど、本当のところはどうだったのだろう。僕には強い疑問がある。

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