Scribble at 2023-06-11 14:05:10 Last modified: 2023-06-11 23:28:58

au Pay は何年も前から有効にしている(ちょうどマイナンバーに紐づけると特典があるというキャンペーンが始まった頃からだ)のだが、まだ店頭で決済に使ったことがない。そして、たぶん死ぬまで使わないんじゃなかろうかとすら思う。

まず、店頭でのキャッシュレス決済は不合理で非効率である。スマートフォンを取り出して、アプリケーションを立ち上げて、店員に「au Pay で」と告げて準備してもらい、提示された QR コードを読み取ったり逆に当方の QR コードを読み取ってもらったり、場合によっては金額を自分で入力して店員に確認してもらったり・・・そんなことをやっている間に、従来なら1,000円札を渡してお釣りをもらっている筈だ。実際、色々な場所で色々な人がキャッシュレス決済で払っている場面を眺めているが、確実に全ての人がお金を出してやりとりするよりも圧倒的に手間取っているし、慣れている人でもレジから立ち去るまでが遅い。自分では「先進的なクール・ライフ」だとでも思ってるのかもしれないが、幼稚園児が1,000円の買い物を大量の50円玉で支払っているのと変わらないウザさだ。しかも、このところのコンビニエンス・ストアでは客が荷物を詰めたり、セヴンではレジの操作まで客がやるのだから、店員のバイト代の 1% を客に返せとすら言いたくなる。こんなのは、明らかに「サービス業」の主旨から後退しており、サービス業と言うよりも寧ろ「ロジスティック業」と言った方がいいくらいだ。生産拠点から輸送して店舗に並べるだけの仕事である。都内の左翼にとっては理想郷なのだろうが、普通の人間にとっては冷戦時代のソヴェト連邦で買い物しているに等しい。

もちろん、こんな状況は過渡期の一場面にすぎないと思っている。やがては各地で実験が続いているように、自由に袋詰めして店舗から出てゆくときに自動で決済されるようなシステムが実現するだろう。それがいつになるのかは知らないが、それまで何とか Pay なんて使わなくてもいいし、使わなくても不利益はないだろうというのが僕の実感であり方針である。それに、全くどういう状況でも使わないかと言えば、そうでもない。会社のテナント内にある自販機でペット・ボトルの飲料を買うときなどは、使う可能性がある。いまのところ、自販機は「コーラ専用決済アプリ」なるものを使えとか傲慢なことを言っているのでガン無視しているが(商材専用の決済サービスに加入させて他人の個人情報や資産情報を得ようとは、個人情報保護法に違反していなくても「不見識」「不道徳」というものだ)、au Pay に対応していれば使う可能性はある。いまやテナント・ビルなんてたいていの会社がリモート・ワークを導入していて人が少ないので、ゆっくり買い物できるからだ。コンビニエンス・ストアは、とにかく後ろに他の客が並んで待っているかもしれないという不安があって、そもそもコンビニエンス・ストアで買い物すること自体が、だんだんと落ち着かない、面倒臭い買い物場所だと感じるようになってきている。かなり前に書いたことだが、決済が自動化されるまでは各社とも忍耐なのだろうが、この状況が続くようならコンビニエンス・ストアなんて値段は高いし面倒臭いだけのよろづやとして他の人々からも敬遠されるようになると思う。

もちろん、僕はコンビニエンス・ストアの「進化」を待ち望んでいる。勝手な金額を勝手な連中に奪われるリスクが低ければ、もうレジなんてものは無くなっても構わないし、無くなるべきであろう。貨幣が「オワコン」なのであれば、もちろんレジもオワコンである。ただ、僕が死ぬまでにそんな世の中が到来するんだろうか。

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