Scribble at 2023-05-17 00:00:07 Last modified: 2023-06-05 07:58:58

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The opposed convex surfaces provide a cutting surface having a relatively thin cutting edge coupled with improved cross-sectional strength for the cutting surface thereby providing improved performance characteristics in terms of shaveability and durability.

Razor blade cutting edge structure

SR で髭を剃るのはとうぶんやめにしたし、Gold Dollar を研ぐのも中断しているけれど、知識は増やした方がいいにきまっているので、manufacturing process の本をあれこれと開いているところだ。これらは工業器具を使った金属加工の議論であり、手作業で砥石やラッピング・フィルムで剃刀を研ぐのとは様子も正確さも全く異なるが、物理的な意味は同じであり、金属を削っているにすぎない。

そして、こういう身も蓋もない科学の知見を学ぶと、剃刀の通販サイトや髭剃り関連のフォーラムなどで、やたらと角度がどうのと言っている大半の議論やアドバイスが的外れであることも分かる。剃刀が切れるかどうかは、エッジの先端の厚みが最も大切なのであって、bevel の角度が16°だろうと25°だろうと、エッジの厚みが薄くなっていなければ髭など決して剃れないのである。金属で髭を薙ぎ倒しているだけになってしまうのだ。

それから、刃の先端については特許の資料が参考になる。上記の特許書類でも分かるように、刃の先端は何段階かに角度を変えて研がれているわけだが、たいていの研ぎ師や研ぎマニアは刀背とエッジを両方とも砥面に密着させるということしか説明しない。しかし、安全剃刀の替刃みたいに工業製品ではなくとも多段階に分けて bevel が作られている SR に同じことをやっても、結局は角度がもっとも大きい先端部に対して何の意味もないことをやっているにすぎないのである。僕の推測だが、おそらくそういう研ぎ方をして切れ味が復活したと言っている人たちは、無関係なところを研いで出た研ぎ汁(「研くそ「とも言う)に含まれる研磨剤や微小な物質で、たまたま 0.05㎛といった精密な刃の先端をわずかに削って条件を整えただけであろう。

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