Scribble at 2025-06-07 12:24:26 Last modified: 2025-06-07 12:33:42
「私たち農家としてできれば3000円ですね。3500円を要求すると輸入がばんばん入ってきます」(日本農業法人協会齋藤一志会長)
こういう大手の業界団体だけの意見を生産者の大勢であるかのように報道してるネトウヨ Abema の杜撰な取材も馬鹿だけど、こういうブラフを平気で喋るこいつら団体も相当な悪だよな。自分たちの意見一つで日本の食生活を動かせるとでも思ってるんだろうか。でもね、米っていまや日本人の主食でもなんでもないわけで、米の生産地である東北のすべての県ですら米はパンや麺よりも消費量はとっくの昔に少なくなってるわけだよ。実際には、もう30年くらい前から日本人はパンと麺類を食ってる国民なのであって、米の消費量はせいぜい3割だ。そして、それがなくなってもどうだっていいという人が大勢を占めている。今回の騒動で米を買い占めてる人なんて、実際には飲食店と転売屋と高齢者だけだ。街頭で質問されたら「安くなってほしい」とか若者でも適当なことを答えてるけど、40代以下の若者がスーパーに並んでる姿なんて全く報道されていない。
そして、そもそも自由経済の国家において供給者だろうと消費者だろうと、勝手に「適正価格」を口にすること自体がおかしいということにも気づかないといけない。このあたりは、Abema はテレビ朝日が絡んでるから、多少は局内に管理統制経済マンセーな左翼の生き残りがいるんだろうか。まぁ、歴史的なことを顧みると、しょせん右翼も国家社会主義者だったわけで、おまけにいまではリバタリアンという自由主義のお面を被ったアナーキーな社会主義者まで登場している(彼らの本質は「国家は自由を国民に強制したのち自壊せよ!」だ。狂ってるとしか思えない)。日本の政治や出版・報道関係者なんて、口先のイデオロギーなんて大した違いではなく、彼らの本質は他人に言うことをきかせたないという支配欲だけだ。
もちろん、生産者が赤字になるような価格を要求して、その差額を政府が補助し続けるのがいいというわけではないだろう。そもそも彼ら農家は国家公務員ではないのだから、どれほど補助しようと農家を辞める自由があるわけで、食料安全保障を本気で考えるなら政府直轄の農地を確保して市場の価格に一定の牽制を加えるのも一つの手段だろう。それが、こういう大規模農業法人の団体の意見だけを尊重していると、こいつらは兼業農家や小規模農家を蹂躙することが目的なので、そうしたほそぼそと生産している農家にとって大きな赤字にならない価格とは別の話をしている可能性が高いわけだよ。もし補助金も合わせて4,000円がギリギリなら、3,000円で安定させて補助金を廃止すれば小規模農家は廃業しかなくなる。そうやって放棄された農地を買い占めたい、彼ら大規模事業者にとっては願ったりかなったりだ。