Scribble at 2024-06-01 09:39:34 Last modified: 2024-06-09 14:37:38
For example, if you log into online banking, your information around account numbers, balances, purchases etc will enter Recall’s database.
Copilot というのはマイクロソフトの AI サービスで、これが Windows に標準搭載されている "Copilot+" という仕様のパソコンでは、Windows が定期的にデスクトップ画面のスクリーン・ショットを保存して、ユーザがパソコンで何をしたかというログを残すらしいんだよね。で、後から自分の操作を思い出したり同じことを繰り返したりするために検索すると、Copilot がスクリーン・ショットのデータベースから該当する画面を AI の性能で画像検索してくれるということだ。そして、上で引用されているように、その画面にオンライン・バンキングのログイン画面が映っていたら、口座番号だろうとパスワードだろうと Copilot のデータベースに格納される。つまり、あなたがいくら銀行でログインするパスワードをテキストに記録したりせずに記憶だけで運用・管理していたとしても、ログイン画面でタイプしてしまえば Copilot に記録されちゃうんだよな。
これ、どう考えてもプライバシー侵害だし機密情報の侵害にあたるわけだけど、ユーザが「同意」ボタンをクリックしたかチェック・ボックスを外さなかったかったからどうという問題の話では済まないと思う。僕は常々、プライバシーマークなりこれに準拠してる事業者というのは、何も個人情報を「取らない」なんてことをやるためにプライバシーマークを取ってるわけじゃなくて、取るなら取るで適正に取って扱うよって話なんだよな。でも、適正な手続きを取ってるから何でも情報を取得したり扱ってもいいわけではなくて、もちろん目的を当人に提示して同意してもらう。それに、そもそも取得するべきではない情報がある。たとえば採用活動において、どれほど社内の人間関係にリスクがあろうと、求職者が何か特定の宗教を信仰しているかどうかを質問することは認められていない。なので、人事部長や社長が創価学会の会員で、求職者がイスラムや旧統一教会の信者だと面接で自己紹介したとしても、その事実だけで不採用にすることは許されない(入社した後で同僚に勧誘を始めたら、就業規則で禁じているだろうから懲戒解雇できるけど)。でも、Copilot で活用するためにパソコンで扱っている情報を記録するなんてことは、本人が同意しようと、それは本人にとってあらかじめリスクが推定できないことだと思うんだよな。マイクロソフトも分かってるようで分かってないんじゃないか。というか、分かっててやってるなら犯罪だろうし、分かってなくてやっててもサービス提供者として大きな過失があると思う。
正直、これからの Windows に、本人同意のチェック・ボックスが付いた画面が出てこようと、こんな機能が標準で搭載されるというなら、これは本当にパソコンの運用としてウイルスどころではない「脅威」として考えたほうがいいね。もし Copilot のデータ収集についてチェック・ボックスを「無効」に選択したとしても、手段が Windows に搭載されている以上は、何らかのセキュリティ攻撃を受けて勝手に機能し始めるリスクは常に残るわけだし、もちろんチェック・ボックスなんて知ったことかとマイクロソフトが無断でデータを収集して巧妙な仕方でレドモンドのサーバへ世界中から送ることだってありえるわけだよ。どちらにせよ、これは Windows を使い続ける上では真面目に考えなくてはいけないし、おそらくは競合も、Apple だって、それからスマートフォンにおいては Google だって同じことを検討するだろう。そして、まだマイクロソフトは臆面もなく公表してるだけマシであって、Apple なんかは「プライバシーは、おまかせ。」とか、周回遅れの糸井重里みたいなフレーズで誤魔化して macOS に同じような機能を勝手に実装してくるかもしれない。
[追記:2024-06-09] https://news.ycombinator.com/item?id=40610435 かなり大きな話題となって、マイクロソフトは無効にしたようだ。でもまぁ、AI がどうとか言ってりゃどういうサービスでも客に押し付けられるというイージーさは、「AI営業」とか「AI人事」とか言ってる、この国のゴロツキ連中とあんまり思考は変わらないってことだよね。馬鹿は、どれだけ権力や金を持っていても馬鹿であることに変わりはない。哲学者から見れば、これは殆ど宇宙の真理だ。