Scribble at 2020-10-01 11:22:03 Last modified: unmodified

会社の役職として、もう20年くらい前から言い続けたり、機会があれば言っておきたいことがある。それは、稟議を書くのに何の根拠もなく「生産性」という言葉を使うのは禁止しようということだ。何か物品を買ったりサービスを契約したいという場合に、とにかく二言目には「~をしないと生産性が下がる」と言う人がたくさんいるんだよな。

でも、それを買ったり利用して、逆に生産性が上がったという話を聞いたことはない。つまり、売り上げとか営業利益が何万円だけ上がったの? という証拠が何もないんだよ。それって、単に何か便利なものを会社に買ってくれって言ってるだけじゃん。そこそこファイナンスが上手くいってて現金がある会社だと、やはりその辺の判断が甘くなりやすい。そして、そういうことを繰り返しているうちに枯渇して、悪くすれば誰かに辞めてもらうという結果になる。

やはり事業というものは、或る意味では数字だけで《冷酷に》是非を判断しなくてはいけないことが多い。主観的かつセンチメンタルに「これは不便だ」とか、そんなことだけで会社の金を使わせるようなカルチャーを育ててしまうのは、長期的には人事という限定された範囲だけではなく会社の事業継続性そのものにとっても由々しき結果を招くと思う。よって、たとえばマルチ・モニターで業務をすると大きな画面で展開する必要がある Excel のシートと管理画面のブラウザとを丁寧に比較しながらチェックできるので、入力や参照時の間違いが少なくなることが期待できるなどと書かせて、半年後くらいに間違いがどのていど減ったかをチェックしている人間に記録させて報告を出してもらう。これで、マルチ・モニターを利用するメリットがこういうことにこれだけあるという一つの結果がでるのだ。こんなものは、大上段に構えて「エビデンス」なんて子供じみた言葉を振り回す必要など最初からないわけで、それを買って何がどう良くなるのか言ってみろという話でしかないのである。

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