Scribble at 2020-04-09 15:08:52 Last modified: 2022-10-03 09:58:44

馬鹿が。

こういう口調を、しばしば lightweight nationalist (fascist) と言うのだけど、無垢な市民がボソッと心のうちを呟いたという体裁で、普段から言いたがっているヘイトや中二病的な暴論を吐き出すレトリックの一つだ。騙されてはいけないし、もし全く無自覚に書いているなら、かなり付き合い方に注意しないといけない人物だ。なぜなら、物事の良し悪しとか生死についての尺度が非常に狭く、何をやるにも死ぬとか殺すなどということを即座に最終結論として持ち出す可能性がある精神構造だと思われるからだ。「殺す」とか「死ね」といった言葉を覚えたての幼稚園児ならともかく、最低でも15歳を過ぎた若者以上の人間が、このような精神構造ではロクな社会生活を送れない。何かあればすぐに死ねとか、殺すとか、そういうことを俳句でも読むような調子で口走るような人間だからだ。みなさんも、この手の《ソフトなファシストども》を Facebook などで見かけたことがある筈だ。たいてい、和服の後ろ姿でプロフィール写真を掲載しているような、茶道や華道の師範とか、胡散臭い手芸の団体をやってるとかいう女性にも、この手の無自覚な「愛国者」を装ったクズがいるので、困ったことである。

それにしても、はっきり言って国情の違うフィリピンで噴き上がってるだけの人間に同調するとはね。もちろん、女児に限らず他人に不当な振る舞いをする者は非難されるべきだし、それぞれの国情に応じて逮捕されたり職務質問を受けたりするべきだろう。しかし、被害者だけでなく迷惑や罪を犯した人間にも（それこそ上記のような人々にも）人権はあるというのが近代国家や法治国家の原則である。それを、裁判もなしに射殺とは、思考能力まで自分たちの大統領と同じ程度に成り下がった人間が言うようなセリフに日本で同調するなどというのは、義務教育を受けなおせというレベルであろう。こういう馬鹿を説得する気はないが、ここを読んでいるみなさんには、仮に「バカは射殺」という法律が日本で成立したらどうなるかを考えてみてほしい。上記のようなツイートを投稿している連中も含めて、場合によってはみなさんも（もちろん、僕だって例外ではないかもしれない）射殺されるのだ。大統領が平気で殺すのなんのと発言し、実際に裁判もなしで殺害していると伝えられるような国情の人間に同調するということは、そういうことなのだ。（ここでは簡単に「バカ」と書いたが、これを特定の思想とか主張に置き換えれば、いまでもこんなことを言い出しかねない連中は Twitter に右だろうと左だろうとたくさんいる。）