Scribble at 2023-06-15 14:58:03 Last modified: 2023-06-15 15:09:34
この国って、ものを書くべき人間、あるいはものを書いて他人様に何事かを開陳する資格がある人間の数と出版社やマスコミ・報道の事業者とでアンバランスがあると思う。特に、放送局や新聞局はバランスが悪いと思わないけれど、出版社、そしてここ最近ではオンラインの「メディア」と自称するデジタル自費出版が大量にあって、勝手にウェブサイトで記事を並べているだけのゴロツキみたいな連中が「報道」だの「メディア」だのと言う。確かに言論は誰でもやっていいわけだけど、彼らのマーケティング優先の態度は、言論というよりも口先や見掛け倒し、あるいは未熟な素養のアマチュアが勝手に出す自費出版の詩集や郷土史本みたいなものだ。そして、その先鋒であったデタラメの代表こそ WELQ のような医療や健康にかかわるインチキ・サイトなのである。上記の記事にしても、都内には他にものを書く資格がある人が欠乏しているためか、翻訳会社を経営していた人物が勝手に出版した著作のコピペを掲載して、炎上したり裁判沙汰になったら切り捨てたらいいだけの(Wantedly やクラウドワークスなど、「弊社は場所を提供しているだけです」みたいな人材ブローカーどもと同じ理屈の)扱いをしている。これではメディアそのものも書き手も育つわけがないのである。
さて内容についてだが、もちろん会社員というものは有休休暇をとるために就職したり働いているわけではない。とは言え、人は会社で働くために生まれてきたわけでもないのだから、家庭などプライベートな事情や目的で取得できる休暇は、人が会社と一定の条件で労働契約を交わしているにすぎないという建前がある以上、いくらでも働かせられないのと同じで、法的に保障された有給休暇を取得する権利は、各人が社内の人間関係に応じて自由に行使できなくてはいけない。上記の人物は都内でカスみたいな翻訳会社を経営していたようだが、企業のまともなレベルの部長すら(建前だろうと何だろうと)知っているようなことを脇へ置いて、他人に悪く思われたら損だから有休なんてとらない方がいい、みんなでモノづくり国家のデスマーチ要員として血を吐くまで働くべきだ、みたいな根性論を21世紀の令和時代になってまで言い続けるというのも、文面を眺めていて痛々しい思いがする。こういう、気楽に生きて愚劣な文章を書き殴っていても食っていける人間というのは、もう予定調和のように「なにもしない方がいい」みたいなことを書くよね。そして、困ったことにこういうことを書くやつを都内の出版業界のバカなやつらは、たとえ批判するにしても「保守」とか呼ぶんだよな。保守の人間として言わせてもらうが、冗談言うなと思うね。こんなもん、リバタリアンやポピュリストですらない、単なる成金の殴り書きにすぎんよ。
都内の出版業界って、こんなバカなやつに文章をかかせるしかリソースがないのか。