Scribble at 2022-09-07 18:48:39 Last modified: 2022-09-07 18:51:06

創業241年の老舗つくだ煮店「神宗(かんそう)」(大阪市中央区)が、2年前に製造した「塩昆布」と「ちりめん山椒(さんしょう)」を新たな原材料と混ぜて調理し直し、新製品として販売していたことが判明した。新型コロナウイルス禍で在庫が増え、同社が定める出荷期限を過ぎたものを再利用していた。大阪市保健所は8月、「使用期限の科学的・合理的根拠が不十分な製品を原材料の一部として使用した」として行政指導した。

2年前のつくだ煮混ぜ再調理・販売 大阪市保健所が老舗「神宗」指導

歩いて通勤しているとき、特に帰宅するときは時間に余裕があるため、ジグザグと適当な経路で船場地域を歩いていたのだが、その途中で見かけていたのが、ここで報道されている「神宗」という店だ。ビルの中に和風の建物が入っていて、周辺には古くから続く製薬会社や問屋があるため、何か昔の店か建物を記念して残したり復元してあるのかと思っていたが、つくだ煮屋の店舗だったのか。

もちろん、つくだ煮は冷凍していようと常識的に言って2年も保存できる商品ではない。常温なら、せいぜい二か月が限度だろうし、凍らせたからといって腐らないとか細胞が変質しないなんて話はないだろう。「違法ではない」などと言うが、どう言いつくろってみても〈そういう店〉という印象を払拭するのは困難だと思う。貧すればなんとやらだ。伝統があろうとなかろうと、経営に困れば商売人なんて馬のウンコでも珍味として売ると思われても仕方ない(ただのメモ帳を「書籍」として販売してる、イギリス人が運営するアマゾンという店舗を見よ!)。そういう自覚があればこそ、世に広まっている商売の考え方というものが意味をもつのである。つくだ煮なんて、生まれてから一口だって食べなくても誰も死んだりしないし、豊かな生活を送れないわけでもない。しょせんは、そういうものを売っているていどの生業なのだという自覚が欠落したら、事業や商売なんて手を打つ暇もなく破綻するものである。

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