Scribble at 2023-06-01 10:11:20 Last modified: unmodified

Facebook でも書いた話なのだが、僕はスマートフォンだろうとタブレットだろうと、とにかくモバイルのデバイスでウェブ・ページを読むということが殆どない。その理由は、耄碌してガキのアイテムを使えないなんて理由ではなく、逆にモバイル機器は生産性が低いからだ。特に、ページのテキストを秒で検索できない仕様は耐えられない。パソコンなら、その場で Ctrl + F で直ちにウェブ・ページだろうと PDF だろうと、あるいはクズみたいな WORD のテキストだろうと即座に検索する体勢に入れるけれど、スマートフォンでウェブ・ページを見ているときに、そのページのどこに目当ての内容が書かれているのか、どうやって即座につきとめたらいいのか。ブラウザによってはメニューから検索する機能へアクセスできるが、そうでない場合は途方にくれてしまう。なんにしても、メニューを使う(つまりはショートカットが使えない)という時点で、モバイル端末の生産性が低いのは明らかだ。しかるに、僕は Android に「Ctrl+F」だけ独立にボタンとして実装してほしいくらいなのである。

ただ、そういう事情は若い人にもあると思う。長い文章を嫌う人が多いということは、つまるところスクロールしたくないということでもあるからだ。自分がアクセスして見ている画面の範囲に表示されているテキストだけを読めば事が足りるならば、確かに便利だとは言える。実際、銀行の ATM や駅の切符自動販売機で、振り込みの内容や行き先を選ぶ画面がスクロールしないといけなかったり、右下に小さな三角の矢印ボタンがあったりして別の画面も見ないといけないなんて仕様を採用したら、それこそプロダクト・デザイナーとして「犯罪級」の無能であろう。

このように考えると、たとえば当サイトのように長文であることをいとわないコンテンツを掲載しているサイトが、なにか長文であること自体へ闇雲に価値を置くような自意識に陥ってしまうと、それは自己欺瞞というものであろう。僕が、あまり Longreads というサイトを評価していないのは、それが理由である(あと、あそこに掲載される文章って、実は著作物の「長い梗概」があったりするから、実は逆に切り詰めた文章が掲載されている場合も多々あると言えるんだよね)。

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