Scribble at 2023-12-21 11:22:30 Last modified: 2023-12-21 11:26:02

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いまはメールやSNSなどの文字媒体でお客様とやりとりすることが多くなりました。その際、ただ単に“会社名+名前”で送っていたのでは、ほとんど印象に残りません。名前の前に“印象に残る一言”を添えて、あなたの存在をお客様に印象づけましょう。

メールの書き出しが「会社名+名前」はダメ…営業コンサルが勧める「売れる人間がやっている必殺の書き出し」

僕は、もうなんだかんだ言っても25年くらいは会社に勤めて大量の手紙やメールを眺めてきているので、いわゆる営業メールとかダイレクト・メールの大半が「クズ」であることを承知している。実際、何か新しく業務で導入したいサービスとか機器とかは、その大半はこちらから大塚商会に「こういうのはないか」と尋ねたり、あるいは自分で検索して資料を請求して導入していることが多い。弊社でもマーケティングの部署で大量のメールを送っているけれど、成功する事業というものは相手から引き合いがくるようにならないといけない。なぜなら、似たようなサービスなんて幾らでもあるし、似ていなくても結果的に同じ KPI を引き上げる効果がある別のサービスだってたくさんあるからだ。ビジネスにおいては、同じことをやってる会社や業種だけが競合なのではない。これは、ポータのような、いまや古典とすら言えるような著作を真面目に読んでさえいれば応用として考えられる話だということくらい、大学生にでも分かるであろう(「競争優位」という概念を、いまだに同業他社との比較だと錯覚している人のなんと多いことか)。

ということで、自分でも営業メールくらい大量に受信しているくせに気づいていないバカなのかどうかは知らないが、こういうデタラメを書いて多くの人々を少しでも競争の舞台から蹴落とそうという愚劣な記事を書いている連中もいるわけだ。ここに書かれているメールの書き出しの「工夫」なるものは、はっきり言ってデタラメである。

「休みの日でもお客様のことを考えてしまう菊原です」なんていう営業メールを送られて、もちろん LGBTQ であろうとなかろうと気分が良い人なんて、そうはいない。そして、こんなワーク・ライフ・バランスどころか公私の区別もできておらず、プライベートの生活に本気で打ち込んでいない人間なんて、実際には仕事の方でも打ち込んでいない口先だけの人間であると見做される可能性も高い。最近の若手の企業人であれば、なおさらそう思う人も多いだろう。休みの日まで仕事のことしか考えてないなんて、他に能力がない無能か? あるいはモテない気晴らしに仕事のことしか考えてない歪んだやつかも、などと思われるのがオチだ。そして、僕らのようなマネージャー・クラスの人間から見れば、これは端的に言って「無礼」でしかない。お前が誰かなんて、はっきり言ってどうでもいいんだよ。特にオンラインのサービスは機能性と、運営会社の情報管理体制と事業継続性が要であって、営業やヘルプデスクなんて AI でもいいんだ。

そして、この手の連中が二言目には口にする「人」とか「心」とか「ふれあい」とか「印象」などという、心理学の博士号ももってないくせに営業系のコンサルや物書きが気軽に言うキーワードは、ほんとうにウンザリするような思い込みや思い上がりでしかない。企業活動は、確かに人がとりおこなうものであり、人が大切であることは確かだ。でも、それはこういう三下共が理解している次元の、どうでもいいようなお喋りのレベルで重要なのではない。こいつらは、言ってみれば酒場で口にしているようなことを客前で語っているにすぎず、本来なら「まともな」営業とすら言えない、スーツを着ているだけのゴロツキみたいなものだ。

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