Scribble at 2024-09-01 08:59:40 Last modified: 2024-09-01 09:35:15
It is with great sadness that I find myself penning the hardest news post I’ve ever needed to write here at AnandTech. After over 27 years of covering the wide – and wild – world of computing hardware, today is AnandTech’s final day of publication.
昨日のビッグ・ニューズだったようだが、僕はこんなサイトがあったことすら知らなかった。よく fragmentation などと言われるけれど、既にウェブって実は昔からあるていど情報ネットワークとしては普及の規模に限界があったんじゃないのかと思う。原理的には、インターネットという通信機器のスペックとして限界はないので、僕がロシアの誰かに通信するとか、アジスアベバの誰かが公開しているサイトを僕が見ることは原理的に可能だ。でも、ウェブというものは自動で情報なりソースを見つけたり、僕らにとって都合のよいページをひとりでに見つけたりはしない。AI が普及している今現在ですらそうだ。結局のところ、プロンプトを打ち込むのであれ、僕ら自身がアクションを選んで実行しなければ、やはりコンピュータという機械を巨大なネットワーク通信網として組み上げてあるだけのウェブには何もできないわけである。
ということで、僕は比較的ハードウェアに関心は弱いし、英語でどういうメディアがあるかを自分でわざわざ調べたりもしない。よって、プロのウェブ・アプリケーションの開発者である僕ですら、インターネットを利用し始めて25年くらいが経つにもかかわらず、これほど「有名」と言われているサイトを全く知らなかったりするのである。恐らく、日本でもハードウェア関連のジャーナリストや研究者、あるいはハードウェア関連の企業に勤めている人しか知らないメディアだったろうと思う。なので、こういうメディアの運営が終了すると言われても、別にこのメディアがあってこそハードウェア業界が成長してきたわけでもなかろうし、ユーザとしては何も困らないわけである。実際、レビューを投稿したりブログで書いたりするのって、それほどレビューを受けている相手に読まれてもいないだろうし、本当のところどれほどのインパクトがあるのかもわからない。そういうレビューをただ読んでいる人々にしてみれば、詳しいことが書かれていて参考になるのだろうけど、或るハードウェアの仕組みがこうなっていて、こういうスペックで・・・と言われたところで、製造してる者にとっては自明の話だし、競合にとってすら、既に市場で販売されている他社の製品についてスペックを解説されても興味は低いだろう(寧ろ、設計段階での情報ならいくらでも欲しいとは思うが)。
なので、こういうサイトがマニアックな支持によって20年以上も続いてきたことには興味を覚えるし敬意も持っているが、やはり専門のメディアを法人として事業継続するには限界があるのだろう。それから、このサイトはもともとインド系の15歳の少年が前世紀の終わりに立ち上げたらしく、この少年はコンピュータ・サイエンスの教授をしている親による英才教育の影響で幼い頃からコンピュータやコンピューター・サイエンスにも親しんでいたようだ。いまは事業化したサイトを手放して Apple の社員になっているというから、よく悪態として口にされる「評論家的な」スタンスから実際に Apple 製品のハードウェア製造に関わる仕事へ従事するようになったようだ。ということで、こんなテレビ・ドラマにしてもいいような特殊事例を、コーディング教育でガキをジョブズかゲイツに育てて老後は安泰、みたいなキチガイじみた妄想に陥っている都内の教育ママは参考にしない方がいいと思う。
それから、このメディアはなんだかんだ言っても「独立系」のジャーナリズムに参加しているため、メーカーの受けはあまり良くなかっただろうと思う。上の記事にも書かれているように、いまやウェブのメディアはケーブル・テレビと化してきて、SEO というよりも Twitter に最適化されたようなクリックベイトのタイトルや、手軽なコタツ記事とか「まとめ記事」ばかりが収益を上げて事業継続するようになった。よって、AnandTech のようなコミュニティ・ベース(しかし個々のユーザがお金を払うとは限らない)のメディアは、どうしても運営者の実質的には私財に依存しており、趣味的なものにとどまってしまう傾向がある。
結局のところ多くの広告を集められるのは、"PR" などとセコく右下に表示してるネイティヴ広告や記事を乱造しているメディアなのであって、日本でも良くも悪くも ASCII がパソコン関係のメディアとして典型的だった。そして、僕らもあるていどはわかってて彼らの記事を読んでたんだけど、もうそういう決まり事が通用しない世代も現れたし、あまりにも業界に依存しすぎている、およそジャーナリストというよりも「聞き書きサラリーマン」としか言いようのない連中が、新聞社やテレビ局や雑誌出版社にも増えてきて、どうにも値打ちのない記事ばかりとなったように思う。もう、僕らが自分でネットで調べても分かるようなことしか書けなくなったんだよね。いまの「ジャーナリスト」って。仮に、それが戦場の取材であっても、自分では身体を張ってると思ってるんだろうけど、しょせん聞き書きしてる連中のやってることなんて底が知れている。それこそ戦場でツイートしてる住人の投稿を集めたら、殆ど同じ品質の記事が書けてしまうんだから。