Scribble at 2021-05-15 13:40:46 Last modified: 2021-05-18 13:56:50

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The Making of Helvetica Now at Brand Talks San Francisco 2019

画面をドラッグできる 360 degree の動画らしいけど、僕はこの手の技術は評価しかねる。

第一に、これは不自然だ。どのような生物であれ 360 degree の視界をもっていないわけで、自分が見ていない頭の後ろを見られると言っても、それが何なのか分からない。ドリフの怪談コントみたいに、「志村ぁぁぁ、後ろ! 後ろ!」みたいに騒ぎたいだけなのだろうか。そして第二に、360 degree で撮影された動画や写真は徹底的にクォリティが低いし、こういう目的のカメラはたいてい映像そのものが汚い。360 degree 撮影しました、まる。みたいな幼稚園児のレベルばかりだ。360 degree の撮影ができるからといって、カメラの位置を何も考えなくてもいいというわけにはいかないのだ。そして、たいていの 360 degree で撮影している人々は、こんな簡単なことが分かっていない。360 degree の撮影というのは、対象を 360 degree の周囲から撮影することではなく、自分から見て 360 degree の周囲を撮影することなのだ。この、根本的に自意識プレイとしか思えないパースペクティブを他人に押し付けるなら、相当な正統性がなくてはいけない。それから第三に、こういうカメラの特性ゆえに、少し動かすだけで全ての映像が歪んでしまう。正確な形を直感的に理解しづらく、カメラが水平に撮影した視野との関係で形状を補正しながら観なければならず、それなりにストレスがある。

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