Scribble at 2020-07-09 10:53:09 Last modified: 2020-07-10 19:06:18

コンピュータを買い替えてから1年になる。毎年のようにバックアップをとっているため、このマシンでもバックアップをどうしていくか(やるのは当然としても)決めておかなくてはいけないのだった。しかも、いまは自宅でリモート・ワークもしているのだから、いかに業務で使っているファイルはすべて Dropbox desktop application でサーバ(つまり会社のマシンとも)同期しているとは言え、いざ何かあれば一時的に困ることは確かだ。復旧までに要する手間や時間を可能な限り少なくしていくのが BCPM の要点でもあるし、これまでの ISMS について述べてきたのと同じで、個人の家庭環境でも BCPM という発想は必要だろう。(もちろん自分の人生や生活を BCPM の "B" (business) と言い切ってしまうのは、何も情緒的な理由だけに限らず躊躇するが。)

ともかく、現今のコンピュータ環境で最大の課題は、個人ですら扱っているファイル・サイズなり総量が多くなっていることだ。恐らく、個人が家庭で扱っているファイルなりデータのサイズや合計容量が増える割合に対して、ネットワークの速度が向上する割合は比例してはいない。また、オンライン・ストレージの利用料金も格段に安いとまでは言えないので、どうしても自宅で記録メディアに保存するという手間や時間は必要だろう。簡単に試算してみると、僕がいまコンピュータの HDD を使っている容量は、データを保存するための D ドライブ(1 TB の HDD)で 320 GB ほどとなっている。このうち、Dropbox で同期している業務ファイルの実体容量(Dropbox は「スマートシンク」という機能で、ファイルのショートカットだけを残してファイルサイズを抑えられる)は 5 GB くらいだから、310 GB 以上が自力でバックアップするべきファイルということになる。仮に 300 GB として、これをクラウド・ストレージのサービスにバックアップするなら、いま契約している Google One (Google Drive) で考えると、いまは月額 360 円の 200 GB プランだが、これをいきなり月額 1,300 円の 2 TB プランへアップグレードする必要がある。2 TB なら容量は余裕だが、Google Drive はミラーリングであることを考えると(ローカル側もファイルの容量は同じだけ必要)、HDD の容量が 1 TB しかないのに 2 TB のリモート・ストレージがあってもしょうがない。Google Drive とは別の経路で写真を大量にスマートフォンから保存するような使い方でもない限りは、かなり勿体ない。500 GB くらいのプランがあれば契約を考えなくもないが、現状ではオーバー・スペックだし料金も高くなるので、これは選択しない。もちろん、他のクラウド・ストレージを利用するという選択肢もあるとは思うが、僕はクレジット・カードを作らない方針なので、PayPal を経由して銀行口座からの引き落としに対応していないと困る。こうなると、適当なものはなさそうだ(機能やパフォーマンスとして Dropbox は良好だが、業務で既に使っているので二重には導入できない。また他のサービスを導入すると、クラウド・ストレージのエージェント・プログラムを Dropbox, Google Drive と合わせて三つも常駐させることになり、あまり愉快ではない)。

ということで、メディアへの記録という選択しか残らない。外付けの HDD や NAS やストレージ・サーバは会社でも自宅でも何年か使ってきたが、とりわけ外付け HDD は内臓式の HDD と比べて圧倒的に故障率が高く、NAS も毎年のように RAID 0+1 構成になっている HDD のどれかが故障して、専用の割高な HDD を買って入れ替えてきた。はっきり言って、家庭用の簡易な RAID 1 の HDD だろうと業務用の NAS だろうと、とりわけ少人数での運用を考えるとランニング・コストとしては外付けの HDD や NAS は全く取り柄がないと思う。真面目に社内でファイルを共有する仕組みを検討するのであれば、多少はコストがかかっても専用のファイル・サーバを建てるのが最も良いと思う。NAS との違いは、ストレージという点では殆どないが、NAS は専用の OS が入っているためにセキュリティ対策が逆に取りにくい(Windows Storage Server ならたいていのセキュリティソフトは入る)ので、NAS の内部で対策するよりも UTM やインテリジェント・ハブやルータの FW 機能などでネットワーク上のペイロードを監視する方がいいが、それはそれで別の機器や知識が必要となる。ともあれ、個人の環境でファイル・サーバはオーバー・スペックだから選択肢にはならないだろう。

このようなわけで、数年前から使っている Blu-Ray に焼いていくというオーソドックスな結論になる。ただ、まだ 50 GB のメディアだと僕が使っている(そこそこ重いゲームにも対応しているスペックの)マシンですら安定して記録できない。もちろん、外付けの安い Blu-Ray ドライブを使っているせいもあるが、25 GB なら失敗したことが1度もないという事実がある限り(これまで50枚くらいは焼いた)、やはりこれはドライブのせいだけではないだろう。それにしても、25 GB のメディアで安定して焼けるとは言え、300 GB ていどを記録するのだから、単純に言っても12枚も使うことになる。25 GB のメディアは現在の実勢価格では1枚あたり100円以下になっているが、コストの問題はいいとしても、これを12枚も焼いていく手間の問題は大きい。そのままファイルやフォルダを記録ソフトの画面に登録していけばいいのかもしれないが、区切り方としてそんな単純にもできない場合はある。僕の環境では、Firefox のアドオンである Scrapbook で管理しているウェブコンテンツの格納フォルダには、合計で数万個のフォルダが入っている。これを単純に何千個ずつとして記録していくのも要領が悪い。これはこれでアドオンの運用の問題でもあるから、別の課題として検討する余地がありそうだ。

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