Scribble at 2024-02-03 08:55:24 Last modified: 2024-02-03 08:57:44

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「ググレカス」が「ググるカス」になりつつある

そのむかし、一時期の流行語として「ググれカス」というのがあった。もうこんな言葉を使う人すら殆どいないと思うが、Google 検索が他の Lycos とか Yahoo! とかを圧倒してゆき、ほぼネットでの検索と言えば Google を指し、そして実質的に Google で検索した結果の順位を成果の指標とする SEO なんていう技巧が登場して、それを専門にやる会社(いや業界とすら言って良い)まで登場したのが、いわゆるゼロ年代と呼ばれる牧歌的な時代だった。

しかし、いまや Google で検索してもロクな結果が得られない。あるいは良質な結果を得るためには、そのためにどういうキーワードを使えばいいのか、あらかじめ知っていなければいけないという「無理ゲー」となっている。或る事柄について知らないからこそ検索するというのに、検索したい事柄についてエキスパートでなければ的確なキーワードを選んで入力できないというのでは、元も子もないからだ。よって、Google で適当に上位の結果に出てくるデタラメなページを調べてきただけで何かを話したり説明するような人々は、そろそろ「ググるカス」と言われるようになるのではないか・・・と思っていたら、まさしく同じことを考えていた人がいる。

この記事で紹介されているポイントは、品質も取り上げられているけれど、それだけではなく、Google の検索で良質な結果を求めるには「時間がかかりすぎる」ということも話題になっている。これは、もちろん的確なキーワードを選ぶには、あらかじめ知りたいことについて素養を持っていなくてはいけないのだから、そのためには学ぶ時間がかかるからだとも言える。しばしば、このような若者の考え方を「タイパ」などと名付けて、場合によっては思考停止した行動パターンの一つであるかのような揶揄するニューズ番組やワイドショーなどがあるけれど、しかし若者なり外国人なり自分が知らない業界の人間なりの考え方やスタイルに、なんでもかんでも「タイパ」だ「ダイバーシティ」だと同じ表記の名札を付けて分類すれば安心するという、その思考パターンの方が確実に定型的で停止しているとも言える。そして、そういうイージーな定型に当てはめようとする人物は、報道・出版・広告業界の人々にも多いのである。

もちろん、それゆえに「ググれカスからググるカスになった!」とだけ言っていればいいという問題でもないわけだ。

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