Scribble at 2024-02-18 22:43:48 Last modified: 2024-02-18 22:53:20

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僕が中学時代に愛読していた『日本の考古学』というシリーズの概論書は、河出書房新社から1966年に「古墳時代(上)」が出版された。そして、2011年には青木書店から、同じく『日本の考古学』というシリーズで、更に充実した概論書が出てきた。ここ最近になって、ふたたび考古学の本をたくさん読むようになって、改めて新しい方のシリーズを手に取ると、確かに序文では河出書房新社から出ていたシリーズに対するオマージュであるといった趣旨の文章が書かれている(ちなみに、「河出書房」から出版されたと書いてある)。しかし、その序文、それから本の末尾にある見返しに掲載されている出版予定では、中世や近世についても扱うと書かれていたり、別巻として現代的なアプローチ(たぶん地磁気とか衛星写真などを使う分析手法)についても取り上げると書かれているのだが、図書館でも書店でもいまだに別巻を見かけない。

そして、よく調べてみたら青木書店から新刊書が出ていないらしい。もう10年以上も新刊書がないというので、これは最近のトレンドになりつつある、学術系の出版社の廃業なのだろうか。ちなみに出版社のサイトは既に存在しない。確か、青木書店と言えば創業家の娘さん(青木冨貴子氏)は作家もしくはジャーナリストとして知られているわけだが、彼女のサイトには特になんも書いてない。それどころか、亡くなった夫(ピート・ハミル氏)についてのエッセイが新刊で出るらしいけど、それの告知もない。まぁ、出版社も物書きにしても、こういう稚拙なマーケティングでは事業を継続するのは難しいね。

青木書店と言えば、大学に入る前、東京で雑誌編集者をしていたときに、神保町の古本屋で青い背表紙の概論書をたくさん買って読んだものだった。確かにイデオロギーとして一定の偏りはあったものの、ちゃんと分かった上で読んでいれば済む話でしかない。それ以外の事実関係について書かれているところは、アカだろうとネトウヨだろうと関係ないと言えばないわけで、ネオウヨや右翼でも事実関係については正確に書ける人がいるわけだ。まぁ、物書き100人あたりで1人の割合でもいないけどな。

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