Scribble at 2022-10-20 17:15:28 Last modified: 2022-10-20 22:45:51

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日本の自動車産業をけん引するトヨタ自動車。従業員数は7万人超(2022年3月時点)と、「日本イチ従業員が多い会社」でもあり、日本人にとって最も身近な会社の一つといえる。しかし、この社名にギモンを覚えたことがある人も多いのではないだろうか。

社長は「トヨダ」氏なのに、社名はなぜ「トヨタ」? “TOYODA”エンブレムが幻になった3つの理由

イデオロギーの区別なく、ジャーナリストや物書きの多くが奇妙な書き方を好む傾向にある。何のことなのか上記の引用文でも分からないくらい、既に多くの人にとっては「自然」な文体なのかもしれないが、それは君らが日本語のまともな文章を読んでないからだ。

「にほんいち」という言葉を「日本イチ」と表記する理由は、おそらく漢字の「いち」が何か他の文字に誤読されることを心配しているからだろう。でも、彼ら産経新聞の人々が読者と頼みにしている美しい神の国の臣民が「日本一」を「にほん~」と読んだり、まさか小学生でもあるまいし「疑問」という漢字も読めずに新聞を購読するとでも思っているのだろうか。

もちろん、このような皮肉は伝統ある我が国の言葉を率先して愚弄するのが「愛国者」を自任する連中だからでもあるが、他方でかようなカタカナ表記は左翼の物書きにも事例が多い。というよりも、日本の小説家や作家、あるいは雑にライターや記者と呼ばれている素性の分からない売文屋に加えて、各種のマス・メディアで記事や報道番組の原稿を書いている、日本語の文章を書くのが仕事であるような職種の全てにおいて見受けられる傾向だと言ってもいい。もちろん、その中には学校教員や国家官僚や弁護士すら含まれるだろう。

これまで何度か言ってきたが、僕は1990年代の大半をワープロのキーパンチャーとして数多くの企業や学校や官公庁の文書を代行してワープロで入力し、レーザー・プリンターで出力するという仕事に携わってきた。そして、その時の経験から、上場企業の研究者や国家官僚から街中の零細企業のおやじに至るまで、大半の日本の成人はまともな水準で日本語の文章を書けないと知ってウンザリさせられたのである。誤字や思い込みによる間違った慣用句の使い方などはもとより、接続詞のない文章、全く読点を使わない異常な文章、逆に文節ごとに読点を使う異常な文章、助詞や助動詞のでたらめな使い方、です・ます調とで・ある調の混用、あるいは段落の開始で文字を開けるといった小学生でも知ってるルールすら知らない国家官僚や上場企業の組合員なんて、実際のところ日本中に何人いるか分からない。結局、こういう経験があって、僕は「識字率」という概念は全くのでたらめだと思うようになったし、言葉によるコミュニケーション(あるいはコミュニケーション全般と言ってもいい)というものは、お互いにとって都合がいいだけの錯覚が基本で成立しているのではないかと思うようになった。

このところ IT 関連のメディアでも外国出身の人々が書いている記事の方が、正確で、言葉の選択も的確だという印象が強い。中国や韓国からの留学生、あるいは日本で仕事を見つけて従事している人々が書いている記事の方が日本語の表現として優れていると感じることが多いのだ。ひょっとすると、僕の書く文章よりも台湾から留学している大学生の方が「良い」日本語の文章を書けるかもしれないとすら思う。そういう印象をさらに裏書きするのが、新聞やテレビをはじめとする報道機関で書かれている拙劣な文章だ。

簡単に言えば、恥を知れということである。右翼なら、そろそろ事業者として文字通り腹を切った方がいいんじゃないの。これ以上、産経新聞の販売部数なんて増えるわけがないんだし。

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