Scribble at 2024-12-11 08:56:11 Last modified: 2024-12-11 08:56:45

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Summary of TIMSS 2023 Results in Mathematics

アメリカ合衆国の子供が数学の国際比較テストで順位を落としているという話題が Hacker News に投稿されており、そのソースとなる TIMSS 2023 International Results in Mathematics and Science というイベントのサイトを見ている。この "TIMSS" というのが何の略称なのか、どこにも書いてないんだよね。これ、特にアメリカのサイトでしばしば見かけるんだけど、略称がもともと何なのか隠そうとする傾向があって、たいていは元の単語にキリスト教関連の典型的なキーワードがあったりするから予断を招かないためのようだけど、僕はこういうのは姑息だと思うんだよな。アメリカがそもそもイラクと同じ程度の宗教国家であることくらい、一定の社会科学を修めた人間なら誰でも知ってるし、報道でもいまだに7割近くのアメリカ国民が神の実在を信じてるとか進化論は間違っているとか考えてるわけで、宗教国家どころか18世紀あたりの時点で科学的な知識に関する民度が停止しているとすら言える。

なので、いつものように「自分たちに欠落していることを、声高に叫ぶものだ」という僕の経験則のとおり、アメリカで STEM 教育が盛んに唱導される。この手の活動は、まさしく宗教国家ならでわの「福音」(日本ではアニメのタイトルでしか理解していない人もいると思うが、こういうのを「イヴァンジェリオン」という)を広めようとする布教活動に近いものがあり、いまだに進化論を認めず、科学の知識をもっていてもせいぜい ID (Intelligent Design) のような屁理屈で逃げようとする自己欺瞞の権化みたいな人々への対策なのだと言ってもいい。結局、既に一定の学歴をもっている都市圏のアメリカ人は給料が高すぎるので、IT ブルーカラーを集めようとすれば、そういう移民だとか南部だとか低所得層の、得てして頑固なクリスチャンに対して、彼らにも受け入れやすい仕方で IT ブルーカラーの基礎知識にあたる科学や技術を教える必要があるわけだ。

ということで、TIMSS2023 のサイトを見ているのだが、上のようなまことに分かりづらい poor visualization で埋め尽くされており、気の利いたことをやっているつもりなんだろうけど、解説されている各項目のアイコンらしきイラストも、無駄にデカくて直感的に内容とマッチしていない、というか、どういう内容ともマッチするように思えない、単に複雑なだけのイラストが並んでいたりする。どういう経歴のデザイナーを雇ったのかは知らないが、極めつけの無能だな。

そういや、昨日の NHK のニューズ番組では、こちらは OECD の調査とかで日本人の子供の学力がどうしたこうしたといい加減な報道をしていたのを思い出した。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231205/k10014278531000.html

それはそうと、昔からなのかどうか知らないが、NHK ってタイトルにしてもナレーションにしても、とにかくやたらと語尾を省略する表現を乱用している印象がある。「~どうすれば?」とか、いかにも無教養な人々のセリフといった印象を与える表現がいたるところで使われている。そして、実際に無教養な人々は、こうしたマスコミの表現を刷り込まれやすいので、いっときの大流行だった「~ね。」という語尾をやたらと使ったり、「~というかたちで」などとインチキ関係代名詞を使って限りなく断定を避けようとする。結局、日本の政治家なんかが大学の弁論部出身とか下らない政経塾出身とかでデタラメに言葉を弄することしか考えなくなるのも、そうした民度を反映しているのだ。

そして、この手の記事のパターンは、そもそも報道すること自体が lightweight なナショナリズムなのであって、恐らくランクが劇的に下がったら報道すらしなくなると思う。YouTube のネトウヨ小僧と同じく「日本スゲー」などという気軽な国威発揚とやらに加担しているだけであって、結局は客観的な事実を報道しているふりをして、報道することかどうかを選択している時点で恣意的な意図があるというのに、いっぱしのジャーナリストだと錯覚しているのだろう。

そして、社会科学や統計学の素養がある方であれば、こういう調査や学者の解釈がぜんぜん信用に値しないということも昔からご存知だろうと思う。

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