Scribble at 2020-06-15 07:41:14 Last modified: unmodified

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Google Trends - institutional discrimination, institutional racism, systemic discrimination, systemic racism

コロケーションを確認するため、ひとまず上記の四つの表現を Google Trends で比較してみた。このほか、"prejudice" とか "bias" のような言葉もありうるけれど、おおよそニューズ媒体で多用されている上記の表現で絞って調べている。結果として、2004年から現在までのスパンで調べると(とは言え、最近の動向でもおおよそ同じ結果なのだが)、圧倒的に "systemic racism" のクエリが多い。それから順番に、"institutional racism" があって、それから "institutional discrimination" と "systemic discrimination" が交互に順位を替えている。ただ、"systemic racism" が長期でも短期でも圧倒的に多いのだが、5月の末頃から "institutional racism" が急激にクエリ数を増やしている傾向が顕著に見て取れる。昨今のアメリカで急激に広がっているムーブメントに関連して、"racism" が検索クエリとして非常に多いキーワードであることは確かだ。そして何かのキーワードでウェブ・コンテンツを検索するということは、そのキーワードに関連して何かを調べたいとか、あるいはそのキーワードの意味について知りたいという意図を反映していると思うのだが、もちろん《アメリカ人が》言葉のありふれた意味(つまり、自分で普段から口にしている筈の言葉遣いの意味)をオンラインで調べようとしているとは思えないので、「"racism" は分かるとしても、じゃあ "institutional racism" とはどんなものなのだろう?」という動機で調べている可能性もある。ただ、これだけではコロケーションとしてどう表現するのが望ましいかという問題の答えにはならないだろう。調べようとするキーワードとして件数が多いという事実だけで、その表現が他のキーワードよりもコロケーションとして妥当だとか自然であると言える保証はないからだ。実際、地域によってはカナダのように "systemic discrimination" が多いところもあるし、メキシコのように "institutional discrimination" が多い国もある。そして、日本では "institutional racism" と "systemic discrimination" とが拮抗しているという不思議な結果になっているようだ。

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