Scribble at 2022-05-12 07:54:25 Last modified: unmodified
これもマイクロソフトや Adobe などと同じく、「オープン戦略」と雑に呼ばれている施策の一つなのだろうか。これまで、グラフィック・カードのドライバはベンダーが仕様なり API を(有償ライセンス契約なしで)オープンにしていないせいで、UNIX/GNU Linux の OS を対象にドライバを開発している人々は(特に FSF は)NVIDIA を非難してきたわけだけど、そういうわけにもいかなくなってくるのだろう。まぁ、もっとも FSF なんかはライセンスそのものがフリーではないと言って文句を言い続けるのだろうけど。
で、僕はこういうオープン戦略なるものはあまり信用していない。つまり世の中が良くなることに寄与するようなものだとはぜんぜん思わないということだ。ここで、この手の施策を採用する企業について、スタート・アップから NVIDIA のような超大手のベンダーまで比べてみよう。スタート・アップが採用した場合は、経営者にとってオープン・ソースでメンテナンスされているソース・コードの知財なんて実はどうでもいいと思われてるんだよね。中の技術者のケーパビリティを大手の企業に評価してもらって、要するに高値で買収してもらう出口戦略が目的なのだ。そして大手が自社の知財をオープン・ソースに変更して開放する場合は、簡単に言えば業界でのシェアに影響がないと見越したうえで、社外の人材による知見を投資のコストなしで集められるというメリットがある。