Scribble at 2022-06-08 17:36:54 Last modified: 2022-06-08 17:40:29

先日からいろいろなプログラミング言語の話を書いている。僕が試しに新しい処理系を使ってみようとインストールするときは、もちろん Windows の環境がメインなので、真っ先に Windows 64bit のバイナリがあるかどうかを確認する。次に、32bit のバイナリ(32bit 版のバイナリでもエミュレーションで動くことが多い)を探して、それでもダメなときは、ここ最近だと自宅で Raspberry Pi Zero W を動かしているため、ARM プロセッサの 32bit 版(armhf)に対応して apt で入る .deb パッケージを試してみる。それでもない場合は、MacBook Pro の Brew を使うことすらある。そうしてまでやるのは、僕が昔から Cygwin や MinGW という Windows 用のイカサマ UNIX 環境が大嫌いだからだ。どれほど POSIX に準拠していようといまいと、そんなことをするくらいなら vmware や VirtualBox を入れた上に追加した Linux でパッケージやソースからインストールするほうがマシだと思う。

僕が Cygwin や MinGW を使いたくない最大の理由は、たいていの客先や実装環境にそんなものは存在しないからだ。これまで20年ほどシステム開発やサーバの構築に携わってきたが、クライアントの環境が Windows Server だった事例は大阪市内の中堅ディベロッパーの1件だけだった。社内のラックに配備した Windows Serer を DMZ としてコーポレート・サイトを公開するといういまとなっては珍しい環境だったためである。それ以外は殆どが Linux か UNIX の環境である。したがって、ネイティブのパッケージやバイナリとしてプログラム言語の処理系が用意されていないという条件でプログラムを納品することは少ない。もちろん、弊社がサーバの選定から構築まで担当する場合は、僕が全ての判断なり実作業を担っているため、Windows Server をわざわざ選んだりはしない。よって、仕事として Cygwin や MinGW を使うことになる与件などない。そして、Linux での実装を想定して自宅にローカル環境を構築するのであれば、たとえ個人の使う環境であっても、絶対に Linux マシンを(仮想のゲスト OS でもいいから)用意するべきである。

仕事のためのテスト環境や開発環境であればなおさら、〈本物〉を用意して作業するべきであり、どれほど精工に作られていても、サポートされていなければ環境を維持できなくなるような条件のもとで仕事をするべきではない。よって、Windows Subsystem for Linux についても意見は同じだ。

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