Scribble at 2021-04-23 10:23:15 Last modified: 2021-04-23 11:06:41

まだ21世紀にもなっていない頃、神戸大学の情報処理センターという施設に学生が使えるワークステーションの共同利用室があって、そこには Windows NT 4.0 が動くシリコン・グラフィックス社のマシンが稼働していた。いつも大半のマシンが使われていて、たびたび順番待ちするほどの盛況だったが、やっていることはみんなだいたいメールの送受信だった筈だ。僕も、最初から導入されていた Message Manager という高木義博氏の開発していたメール・クライアントを使ってメールを読んだり、Netscape Navigator で昔懐かしき（今でもあるが）素数のサイトを眺めたりしていたものだった。

あれから、いっときは電信八号とか幾つかのメール・ソフトを使ってきたが、もう15年くらいは Becky! 2 で安定している。いちど料金を払っただけで使い続けられるのだから、ソフトウェアの安定性から言っても、プラグインの開発をする人は殆どいなくなったようだが、拡張性や多機能さから言っても、料金以上の価値はあると明言できる。正直、Thunderbird の仕様バグ（件名に UTF-8 を強制されるとか）や「伝統バグ」と呼んでも良い頻繁なプロファイルの破壊現象、あるいは Microsoft Mail（macOS のソフトもそうだが、なんで「メール」なんて馬鹿な名称を付けるのか）の鈍重な挙動や HTML メールをディフォールトで全開にしてしまう愚かな初期設定などを考えたら、Windows で使える無償のメール・ソフトで Becky! 2 に対抗できるのは Sylpheed と EdMax（2018年に開発終了）くらいのものだろうと思う。