2022年08月18日に初出の投稿

Last modified: 2022-08-18

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電子帳簿保存法関係

最新の「電子帳簿保存法」(正式には「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」, 令和4年4月1日施行)では、オンラインで発行された領収書など税務にかかわる書類について、その保存方法なり条件に大きな変更があった。つまり、電磁的記録(PDF で発行された書類等)を複合機などで出力した紙の書面を保存しても、電磁的記録の保存に代えることができなくなり、デジタル・データはデジタル・データとして保存しなくてはならなくなった。よって、利用しているサービス・サイトから PDF の請求書や領収書をダウンロードしたら、そのファイルのタイムスタンプを初めとするメタ情報が後から改竄されないようなシステムで保存しなくてはいけない。

もちろん、大多数の零細企業や個人事業主にそんなシステムや機器はない。ふだん仕事で使ってるノート・パソコンの扱いすらまともにできない人々が、どうして改竄検知を備えたファイル・サーバなんて自力で構築できようか。ということで、このところ色々な会社がメールや DM などを送信・送付してきて、せっせと自社のオンライン・サービスやら高額なサーバを導入する「ソリューション」を売り込み始めている。こういう場合、なんといっても後ろ盾は国家であり法律である。「それでは違法ですよ」とか「コンプライアンスがどうの」なとど、まるで自分たちが国税庁職員か検察官にでもなったような態度で、ぐいぐいと営業小僧どもがクズみたいな商材を、導入するのが当然であるかのように押してくる。

しかし、法令が求めている要件を丁寧に読んで、過剰な投資や手数を避けるだけの知恵を面倒がらずにつけるのが、とりわけ個人事業主や零細企業の経営者にとって重要なことだろう。要するに、必要と分かったら即座に動く。デザイナーだろうとライターだろうと開業医だろうと、即座に動くことが結局は最小限の手間とコストで対応する最善策というものだろう。

正直、個人や小規模な事業者に「ファイル・サーバ」なんてものは全く必要ない。定期的に出入り業者がサーバを点検するなどと言っても、しょせんは月に1度の話だし、そもそも Windows Storage Server を乗せた数百万円のマシンが必要となる十分な理由を、売りつける方が他の選択肢も合わせて説明するわけがない。この手の営業というのは、簡単に言えば相手がアホで怠惰であることを利用して展開するものだからだ。かといって、オンラインの経理・財務システムにしても、わざわざ販売代理店なんかが動くような商材は、高額でオーバー・スペックなものが多い。正直なところ、大半の企業にとって、あのテレビ・コマーシャルで意味不明なうなずきを繰り返す気味悪いオッサンが宣伝してる「奉行シリーズ」なんて不要である。しかし、ベンチャーの提供するサービスは色々あり、どれが本当に法令に対応できているのか、何も知らなければ判断できない。だからこそ、自分で少しは勉強しておくべきなのである。僕が、クズみたいな理屈を哲学研究者につかまされないために大学院まで進んで哲学を学んだ経緯と同じである。

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