Scribble at 2018-04-21 00:29:59 Last modified: 2022-09-26 16:04:26
小学生の頃に東大阪市の永和に住んでいた。とは言っても「永和」という地名の場所ではなく、近鉄永和駅で降りる地域という意味だ。
他の場所へ引っ越した後も、母親が永和駅の近くにある病院で薬を処方してもらっていたため、たまに薬を取りに行かされたものだった。その病院の近くに、住んでいた頃は全く気づかなかったのだが、「ゼー六」という不思議な名前の店があり、外からでは何の店なのか全く窺い知れなかった。それが喫茶店であり、しかも非常に美味いアイスクリームとコーヒーを出す老舗であったことは、二十歳を越えてから知ったのであった。
一見すると不可解な屋号だ。この「ゼー」とは「贅」、つまり不要なもののことである。それが六つあって、商いに無用な六つのことを気にしないという主旨らしい。六つの「贅」とは、金、人脈、駆け引き、学歴、武力、そして身分であるという。