Scribble at 2025-02-04 07:48:16 Last modified: 2025-02-04 07:56:38
Adobe のアプリケーションというのは、それこそ20年以上も使っているのだが、起動できないことがあるわ、起動しても上記のようにワーク・スペースの UI が展開しないこともあるわと、インストールしているパソコンのリソースを使い切って動作しようとするので、どれだけ高性能なマシンを買っても常に何かが不足していたり、何かのハードウェア的な制約と衝突してトラブルを起こす。
僕は、これは Adobe という会社のソフトウェア・アーキテクチャー設計の方針だと思っていて、わざとこういう(彼らにしてみれば「軽微な」)トラブルが起きるようにアプリケーションを設計し実装しているのだと思う。こうすることでユーザは次々と快適な環境を求めてパソコンを買い替えてくれるから、Adobe は少なくともハードウェア企業に貸しを作れる。また、高性能なパソコンで動かさざるを得ないようなアプリケーションの仕様にすることで自社製品も売れ続ける。
陰謀論のように見えるかもしれないが、実際にはこういうことはもっと小さな規模で IT ゼネコンのような上場企業・大企業・官公庁の出入り業者が昔からやってきたことなのだ。しばしば「ロック・イン」という言葉が使われるが、自社製品への囲い込みには色々な仕方があって、たとえば担当者どうしの個人的な人間関係に依存する手法もあれば、業者側にしかアプリケーションやハードウェアを運用するノウハウがないという情報の非対称性を利用する手法もある。そして、もちろん Adobe の場合は業界のデファクト・スタンダードという圧倒的な地位を利用して好き勝手できるという利点があるので、陰謀論だろうとなんだろうと僕らは幾らでも文句を言う資格があるのだ。要するに「独裁は常に悪い」からである。
そのようなわけで、昨年から少しずつ画像編集や文書の編集について、タスクという小さな単位ではあるが、他のアプリケーションを使うようにしている。PhotoScape X のようなフリーソフトもそうだ。でも、文書の編集となると WORD や Google Docs なんていう貧弱な、そして、なんだかんで言っても西洋人のために作られているとしか思えない仕様の文書作成ツールを業務で、しかもデザイナーを名乗っている人間が使うのは難しいので(事実、デザインとして融通の利かない道具を使うのはイライラさせられるし疲れるので、肉体的にも精神的にも良いことがない)、InDesign に匹敵するツールを探すのは難しい。
でも、敢えて提案するとすれば、僕は "HTML" つまりウェブ・ページを CSS で整形して、ブラウザから PDF として印刷するという手法も選択肢の一つには入れてある。もちろん、慣れた作業環境だし、下手な文書編集ツールよりもレイアウトの融通が利くからだ。