Scribble at 2020-07-25 12:43:04 Last modified: 2020-07-25 12:46:41

さまざまな分野とかテーマの論説や批評やコメントを一つのカテゴリーとしてまとめるのはいいとしても、それらをフロント・ページの先頭から漫然と並べているだけでは、なるほど友人が言っていたように MD は何のサイトなのか分かりにくい。もちろん、雑多なコンテンツを雑多に並べたまま、流行りの表現を使えば「MD は『河本孝之』という人物のメディアだ」とでも言えるのだろうけれど、これもこれで何か人を煙に巻くような、これ自体が分かったようで分からない表現になってしまう。このようなときに、僕が参考にしているのは、もちろん報道機関のサイトだ。別に当サイトを新聞サイトのような見栄えにしたいわけではなく、テキストなり図表の情報を視覚的に配置する際のバランスに着目している。以前も書いたように、僕は大学の研究者が作る何の変哲もない情報設計のサイトを愛好している。上から順番に連絡先や経歴や発表論文のリストを並べただけの、それこそ簡単なマークアップだけで殆どスタイルシートすら使っていないと思われるページだが、必要な情報は十分に伝達できているし、書かれている内容や配置について人を混乱させるようなものはない。

結局、後から組み込む余計なレイアウトやマークアップやスタイル、果ては仮想 DOM を使ってコンテンツを動的に展開するようなスケベ根性のせいで、多くのコンテンツは望む人に届きにくくなる。何も Google や Microsoft が広告を優先してアルゴリズムをいじくりまわしていることだけが全ての元凶というわけではないし、distribution や link farm を意図して大量のデタラメなページを作ってきたスパム業者(中には Hatena やサイバーエージェントや GMO とかいう上場企業も含まれるようだが)だけのせいでもない。コンテンツを作る側が自分たちのコンテンツを presentation する適切な方法を軽視してきたことにも問題がある。確かに、数学者がウェブページのデザインを学んだりする義務はないし、こう言ってよければたいていの人には僕らのようなプロのデザイナーが提供しているデザインのセンスや技能などないし、さらには数学者にそんな才能や学習なんて必要ですらなく、それどころかもともと学術研究者にウェブサイトを公表する責任などありはしない(気晴らしや趣味としてウェブサイトを運営したりデザインするのは勝手にすればいい)。

それでも、コンテンツを公表したいというのであれば、やはりそれはそれで適切な方法とか考え方を知っておくのが望ましい。何から何まで反映させたり考慮する必要はないが、findability, usability, accessibility といった概念は知っておいてしかるべきだろうし、何の変哲もないページ・デザインだけで十分に情報が伝達できるとすれば、それはブラウザのディフォールトとして実装されているレンダリングの規則による presentation なのだと弁えておくことは無駄でもない。

そういうわけで、いまのところは情報の構造として複雑な仕組みにはなっていないものの(殆ど場合、フロント・ページと個々のページというヒエラルキーしかないので、フロント・ページが事実上のサイトマップでもある)、MD のコンテンツはカテゴリーごとに分かりやすく分類して配置を工夫したほうがいいのだろうと思う。暫く幾つかのプランを検討したり試行錯誤するつもりだ。

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