Scribble at 2023-05-29 23:41:38 Last modified: 2023-05-29 23:43:41

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小林さんは「雑誌を中心とした書籍の落ち込みが出版不況として語られがちだが、海外市場への進出や電子書籍など大手を中心に出版産業の新たな活路は広がっている。多様性を持った本を輩出するひとり出版社の活躍もその一つになれば」と期待を込めた。(木下未希)

朝日を辞めた記者が選択した「ひとり出版社」という働き方

正直、産経新聞だからこそ「朝日を辞めた」というフレーズをいちばん最初に書きたかったんだろうけど、そういう問題じゃないと思うんだよね。こういう事例から思うのは二つ。

まず最初に、マスコミ志望の人が少なくなったり、就職しても辞めていく人が増えていると言われているのだが、それはもちろん朝日新聞だけの問題ではない。大阪では、頭の悪い男子生徒は「自衛隊か警察かヤクザか吉本」と言われたものだが、このところは「教師かマスコミか Web 制作か富士通の下請け」などと言われかねない状況になっている。こういう悪循環は簡単には解決しない。

そして第二点として、こういう lightweight な出版社が流行っているのは、もちろん本の制作コストが著しく下がったからだ。アマゾンの KDP なんて本を書く当人が電子書籍として出版できるし、オンデマンドのオプションとして印刷物にもできる。もちろん、従来の印刷会社がオンラインの入稿だけで完結する簡易の出版サービスも始めているし、ISBN まで設定してくれる業者もある。要するに個人出版社なんてのは、上場企業で小銭を貯め込んだサラリーマンが脱サラして長野でパン屋を開くみたいなテンプレ起業に近いものがあり、出版事業そのものが自費出版と同じレベルの、事業継続性ゼロの趣味的なものだと言える(もちろん、良い悪いの話はしていない)。あまり次世代の事業モデルみたいな、的外れな取り上げ方はしない方がいい。

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