Scribble at 2026-09-26 14:09:45 Last modified: 2026-09-26 14:13:30

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PHILSCI.INFO では散々というほど書いてきた話題だが、通俗的な哲学の本や、ていどの低い概説書の類に挿入されている、論争だとか概念の visualization というのは、単に著者や編集者の個人としての未熟さというだけではなく、こういう啓蒙書を編集したり制作したり執筆するにあたっての常識とか共通理解とか慣習というものが確立していないという問題を抱えている。したがって、普及も継承もされていない、場当たり的で刹那的としか言いようがない思い付きやデタラメなアイデアとして哲学の教科書や通俗本が吐き出されていると言える。

その典型と言っていいのが、「ものごとの本質」だとか「ものごとの実体」というフレーズを説明したり図示するときに採用される、上のようなイラストだ。球の核であるかのように「本質」を表現したり、あるいは何か目に見える物体の背後にある何かとして「実体」を表現したりする。しかし、これらのお絵描きは、全て厳密かつ正確に言ってまやかしであり錯覚であり偏見であり、哲学的に言って未熟者の思い込みを描いた結果にすぎない。僕らのような人材はもとより、まともな哲学の研究者であるどころか誠実な書き手や編集者やイラストレータであろうとする限り、避けるべきである。

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