Scribble at 2023-10-03 16:25:40 Last modified: 2023-10-03 17:07:05
日本の IT ベンチャーと海外、特にアメリカや中国の IT ベンチャーが大きく違っている点の一つとして、こういう技術や理論の進展に投資することを経営陣が株主に対して正当化するロジックが確立していることにある。もちろん、楽天やサイボウズや SAKURA にもラボや R&D 部門はあるはずだが、せいぜい東大の修士みたいな素人の小僧(学問において修士しか出ていない人物は、R&D で働いていても当該分野の「プロパー」とは言えない。僕も、博士課程には進んだが博士号は持っていないので、もちろん自分を「科学哲学のプロパー」だと称したことはない。権威主義者が権威を根拠もなく否定するわけがない)を集めただけでは、トレンドをリードするような成果は出てこない。せいぜい、Google や Microsoft、あるいはここで紹介している規模のベンチャーで提案されたツールの使い方を Qiita や Zenn といった落書きサイトで披露したり、あるいは日経なんとかかんとかという、こっそり廃刊しても新しい誌名でウジ虫のようにわいてくる薄い雑誌に記事を書いて、アーリー・アダプターづらするのが関の山であろう。
こうしたデータベースのコンセプトというのは、もちろん数学の理論とは違うので、「基礎科学」に類するものではない。それでも、その基礎に当たる素養や見識が無い限り、こういうコンセプトを描いて形にするという真の「クリエーティブ」の力は発揮できないわけである。修士レベルでは、データベースの新しいコンセプトを考案するための基礎的な数学の力が不足しているために、アメリカ人であろうと中国人であろうと、こういう成果は出せないのである。僕は何も日本人という民族が欠陥人種だとか言っているわけではなく、あくまでも IT ベンチャーや IT ゼネコンのラボや R&D 部門で鼻くそをほじっているも同然の連中は教育制度の被害者だろうと思うわけである(半分は皮肉だよ。Cloudflare のラボの後塵すら拝するようでは、教育のせいだけではなく、おまえら自身も無能だからに決まってるじゃないか)。