Scribble at 2025-03-28 19:20:26 Last modified: 2025-03-30 06:36:54
LLM つまりディープ・ラーニングの有効性は、実は研究者も正確な理由がわからないという。当サイトで紹介した今泉允聡氏の『深層学習の原理に迫る:数学の挑戦』(岩波科学ライブラリー 303)においても、「驚くべきことに、我々はなぜ深層学習が優れた性能を持つのか理解しないまま、その優れた性能の恩恵を受けている」と明言していて、特にレイヤーを多層化することがどのような理由で性能の向上に寄与しているのか、正確な理由は分かっていないという。上に紹介した Anthropic の動画も、基本的に LLM は「ブラック・ボックス」であるという話から始まる。
だが、これはチューリング・テストの話にも相通ずるポイントなのだが、そもそもヒトの知性というか推論や判断だって正確な仕組みが分かっていないわけで、脳神経科学はいまだに学問としても業績としても初歩的な段階にあると言って良い。したがって、ヒトの知性との関連で AI をどうこう言ってみたところで、そもそもヒトの知性とは何であるかが分かっていないのだから、我々は本当のところ何と何を比較しているのか、自分たちでも分かっていないのだというのが、チューリング・テストの教訓なのである。