Scribble at 2025-06-06 09:24:21 Last modified: unmodified
調べれば分かることではあるけれど、たとえば Erlang の本って英語でも5冊くらいしか出てないんだよね。しかも初心者向けのテキストだけじゃなくて応用の本も含めてだ。もちろん、その中には Erlang のオリジナル開発者であったアームストロングの古典的な教科書から、ローレントの第2版まであって、どれも一読に値するテキストだと思う。僕が Erlang の勉強をしていたのは、もう15年くらい前になるから、すっかり忘れてしまっているけれど、いまでも学ぶに値する開発言語の一つだと思う。
でも、いったん人々の関心がなくなると、出版社というのは営利企業であるからして、そうした動向の簡単な遅延指標として出版点数が減る。これは誰でも分かる話だ。たとえば、ここ数年に渡って書店で Perl の新しいテキストを見た人はいないだろう。Amazon.co.jp で検索しても、無能や素人が書いている(まぁたまに凄く有能で実績のある人も書いてるわけだが、一般論として)independently published な電子書籍はどうでもいいとして、最新の出版物として認めて良いのは、せいぜい『Perl徹底攻略 WEB+DB PRESS plus』(技術評論社、2018)と『初めてのPerl 第7版』(オライリージャパン、2018)くらいのものだろう。
こういうわけなので、新しくなにか開発言語を学ぼうとして、長らくメンテされてきて導入実績も豊富な枯れた言語を選んだとしても、最新のテキストすら10年近くも前のものしかないというのでは、やはり不都合が多いであろう。まず何よりも、そんな古いテキストを買っても10年前の仕様が分かるだけであって、最新のヴァージョンで言語仕様がどうなっているのか何の情報もない。もちろんシステム開発の業界にも、未来を記述している真の予言書など、残念ながら存在しない。願望と都合と予測との区別がつかない馬鹿や無能やゴロツキがたくさん集まってくる経営学のような三流の研究分野では、そういう本がたくさんあるようだが。
もちろん、そういう本であっても大きく変わらない設計思想などの重要なポイントについては学ぶべきことがいくらでもある。そして、コンピュータ・サイエンス学科で自動証明とかプログラミング言語論とか形式意味論とかを学んだ方であれば、仮に古い言語仕様の本であろうと、それを基準にして新しい仕様書と一緒に合わせて学べるという素養があろう。独学や専門学校でしかプログラミングを習っていない人々には根本的に欠落している、こういう抽象的な概念を習得することには、このような利点あるいは応用力がある。